当時、欧州を中心に、コンパクトカーよりさらに小さなマイクロカーの開発が行われ、トヨタも2008年に発表したのが「iQ」。全長3m前後で、同じコンセプトの国産車としてはスズキ「ツイン」やスバル「R1」があったがいずれも軽自動車であった。今回比較するにあたっては、正確にはコンセプトが違うものの、ユーザー目線で、近いのでは?と思える車種として、輸入車2車種と、日本の誇るマイクロカー、軽自動車1車種を選んでみました。
マイクロカー 値引き比較表
トヨタ iQ | スマートフォーツー | フィアット 500 | スズキ ワゴンR | |
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車両価格 | 1,326,857~1,830,857 | 1,635,000~2,252,000 | 1,998,000~2,710,800 | 1,078,920~1,547,640 |
乗車定員(人) | 2 4 | 4 | 4 | |
値引き予想額(万円) | 20~25 | 10~15 | 10 | 8~10 |
リセールバリュー(A・B・C) | B | A | A | A |
発売年月日 | 2008年10月 | 2007年10月 | 2008年3月 | 2012年8月 |
最終変更時期 | 2012年5月一部改良 | 2012年5月MC | 2014年9月10月一部仕様変更 | 2014年8月MC |
人気度(△A・B・C・D・E▼) | E | B | A | A |
トヨタ iQ(アイ・キュー)
コンセプトはあくまで「大人3人と子供1人または荷物の3+1シーター」 コンパクトではあるが我慢はないというものである。全長は3m、ホイールベースが2m、最小回転半径3.9mという取り回しの良さと、前席に限れば他のコンパクトカー以上の快適性を併せ持つ。この特徴を生かしてシティ・コミューターとしての活用、セカンドカーとして近距離での買い物などに利用されることも期待されたが、日本国内には「軽自動車」という成熟したカテゴリーがあるため、これらの利点を生かすことはできなかった。
2012年に限定発売された電気自動車「e‐iQ」が、このクルマの未来として正しい方向性と思える。
次に挙げる2台の輸入車のようなデザイン性があれば、もう少しスポットライトを浴びていたかも知れないだけに悔やまれるが、最大の原因は軽自動車の存在と、マイクロカーを普及させる行政の後押しがなかったことだ。
ネッツ店扱いで、販売台数は当初より多くはなかったが、現在ではカウントできないほどの台数しか出ていない。値引きに関しては、大幅に値引きしてまで拡販するつもりもないので、売れてない割に渋いという印象。ほとんどのグレードが受注生産のようになってしまっていて、在庫車も望み薄である。
スマート・フォー・ツー
「スマート」は、2人乗りのマイクロカー。華奢に見えるが、安全基準は他のメルセデスの車種と同水準のものが適用され、小型車でありながら大型車と同様の衝突安全性を誇る。現行モデルは2007年にフルモデルチェンジされた。ボディサイズは、全長2720mm・全幅1560mmと大型化した。エンジンは三菱製の直列3気筒DOHC12バルブ・999cc/71psに変更されてパワーアップし、変速機は5速のマニュアルモード付オートマチックトランスミッションを搭載する。チューニングモデルの「ブラバス」などラインナップも多い。
グローバルではかなりの台数が販売されているマイクロカーであるが、日本国内ではやはり軽自動車が立ちはだかり、その優位性は失われている。スタイリングが他よりだが、今一つ日本人の感性にそぐわない。
値引きもわずかであるが、小規模な取扱い店舗などで在庫車がプライスダウンされて販売されているケースもある。しかし、中古車と見分けがつかず、純粋な値引きとは言い難い。実質的には5万円プラス豊富なオプションを期待する。
フィアット 500(チンクェチェント )
世界的なヒット作となった「フィアット500」。愛らしい丸みのあるボディで小さくつぶらなヘッドランプや軽くせり出したフロント周りが特徴。日本では前席2名、後席2名の4名乗車とされ、後席シートは分割可倒式で185Lから550Lのラゲッジルームの容量を持つ。 バリエーションもアバルトがチューニングを手掛けたABARTH 500やオープンモデルの500C(カブリオレ)も用意される エンジンは、直列4気筒1.2L、後に新開発となるダウンサイジングターボの2気筒の“Twin Air(ツインエア)” インタークーラー付ターボが追加された。
日本でもそのキュートなルックスが人気で、居住スペースやエンジンパワーなど、スペックに不満はあるものの、それさえ味にしてしまうのは、このクルマぐらいでしょう。
値引きに関しては同価格帯の国産車並みという訳にはいかないが、次々に発表される限定車や特別仕様車がその変わりにお得感を与えている。
スズキ ワゴンR
つまり、「iQ」を含め上記の車種の拡販を拒むのが、「ワゴンR」に代表される軽自動車である。「iQ」はともかくとして、輸入車にとっては難敵。いくら小型化しても軽自動車のようにはいかず、燃費でも30㎞/Lを超える軽自動車の敵にはなれない。逆にコンパクトカーをも凌駕する広大な居住スペースを持つトールワゴンの出現で、外観が小さいだけのマイクロカーは日本では成立しない状況になっている。それは外交問題にも発展し、輸入障壁ともされており、米自動車メーカーがこのクラスに参入するとは思えないので、主に欧州、「メルセデス」や「フィアット」「VW」あたりからの圧力だろうか。
それほどまでに優れた「日本製マイクロカー」として成長し続けてきた軽自動車の代表格が、トールワゴンのスズキ「ワゴンR」だ。ダイハツの「タント」と並び、全乗用車のトップの販売台数をも狙う販売台数を誇る。
値引きは少ないが、強力なライバルも多く、10万円程度が狙える。
By DY5W-sport (Own work) [CC-BY-SA-3.0 (http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons