国内のLLクラスミニバンでは、日産の「エルグランド」とともに双璧となる同車。取扱いチャネルによって「ヴェルファイア」と「アルファード」に分かれ、販売実績、人気という点では現行モデルから新設定された「ヴェルファイア」が「アルファード」を上回っています。しかし、値引きを検証する意味では同車種と見なしていいでしょう。
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このクラスはアル/ヴェルが強い
「アルファード/ヴェルファイア」は、ハイブリッド人気もあり、また、ライバルである日産の「エルグランド」の販売が低迷しているため、一強状態になっている。人気車種ではあるものの、最近の主流はトヨタで言えば、5ナンバーサイズの「ヴォクシィ/ノア」であり、販売店としても台数の出る両車種の拡販に力を入れている。台数はなかなかでない「アルファード/ヴェルファイア」ではあるが一方で1台当たりの利益が比較にならないほど大きいのも確かだ。
値引きを引き出すためにも、日産の「エルグランド」を競合車種として利用するのが鉄則だが、そのためには「エルグランド」の値引き額が重要になります。そこで、両車種の値引きを比較することにしました。
LLクラスミニバン値引き比較表
トヨタ アルファード/ヴェルファイア | 日産 エルグランド | |
---|---|---|
車両価格 | 3,085,714~6,120,000 | 3,213,000~8,067,600 |
エンジン・排気量 | V型6気筒3.5L 直列4気筒2.4L ハイブリッド | V型6気筒3.5L 直列4気筒2.5L |
JC08モード燃費率(㎞/L) |
3.5L 8.9~9.3 2.4L 10.2~11.2 ハイブリッド 16.2~17.0 |
3.5L 9.0~10.4 2.5L 9.4~10.8 |
値引き予想額(万円) | 25~35 | 30~40 |
リセールバリュー(A・B・C) | B | C |
発売年月日 | 2008 年5月NEW | 2010年8月FMC |
最終変更時期 | 2011年11月MC | 2014年1月MC |
人気度(△A・B・C・D・E▼) | C | D |
トヨタ ヴェルファイア/アルファード
人気のあるのは低燃費のハイブリッド車か、割安感のある2.4L車。ハイブリッドは406万円の「ハイブリッドX」が最安値。同じ「X」で2.4L車なら4WDでも328万円、2WDなら308万円だ。燃費の差だけで100万円近く出費するのは、いくら人気があり、リセールバリューがあっても考え物だ。装備アップした2.4L車がお勧めと言える。「240S”Cパッケージ”」がねらい目だが、2WDは399万円、4WDだと418万円と、ハイブリッド車を上回ってしまう。つまり、装備だけで100万円近く使うことになる。これも考え物である。
値引きはライバルに設定がないハイブリッドより、2.4Lの方が交渉しやすくいので、まず2.4L車から。ハイブリッド車に近づいた価格を以下に下げさせるかがポイント。「ハイブリッドと2.4L、どちらが50万円引ける可能性があるのか?」と、純粋に聞いてみよう。「どちらかと言えば」という答えをもらえればいいのです。おそらく2.4L車ということになるので、50万円引けとは言わなくても、営業マンの脳裏には大幅に値引かないと、納得してもらえないという考えが離れないでしょう。
ハイブリッド車のようにガードがきつい車種は、先に2.4L車の交渉をしておくのが鉄則になります。十分な値引き額が出たところで、「ハイブリッド車は少し少ないのですか?」と切り出してみよう。大きく差を付けにくくするのが目的です。
フルモデルチェンジが目前の車種は理屈もテクニックも関係なし
さらに、「アルファード」と「ヴェルファイア」は、2015年1月26日にフルモデルチェンジされる。これを書き終えたころには発表されているかもしれません。となれば現行車種を安く買う絶好のチャンス到来です。在庫限りとなるため、希望するグレードやボディーカラーを手に入れるのは難しいかもしれないが、手に入れられればラッキーだ。競合車もなにも関係なく、新型が出ることを承知の上での購入なので、一気に50万円引きを狙ってもいいでしょう。だめなら新型を狙えばいい。今回のモデルチェンジではエンジンは改良されるが大きくは変わらないということも、現行車種を購入しても損はない。発売直後でも在庫さえあれば購入が可能だ。
アルファードVSヴェルファイア
「アルファード」がトヨペット店、「ヴェルファイア」がネッツ店扱いである。トヨタの車だけはチャネル間の競合が出来る。店舗にとっては迷惑だろうが最大のライバルはこの身内である。最初から検討していることをほのめかすより、条件が出きったとところで、最後に「あちらも聞いてみなくては」と焦らす方が効果的だ。
日産 エルグランド
「アルファード/ヴェルファイア」のライバルと言えるのはこのクルマのみ。、販売台数では大差を付けられている「エルグランド」だが、ラインナップの多さでは負けていない。2.5L、3.5Lともにベースモデルと言えるグレードは少なく、「ハイウェイスター」と「ライダー」が大半を占め、あとは。メーカーオプションの有無でしかない。
現実的には「250ハイウェイスターPuremium」399万円がベストチョイスだろう。ベースの「250ハイウェイスター」が359万円だから、その40万円を値引きでカバーしよう。「250ハイウェイスター」で見積もり、条件提示される前に、同じ総支払額で「250ハイウェイスターPuremium」よりさらに13万円高い「350ハイウェイスターUrbanCHROME」を購入する提案をこちらから持ちかける。これで検討するのはディーラー側になる。ディーラー側の条件を検討するよりも有利になる。差額53万円を値引きで求めるのは法外な要求であるが、商談では、条件さえ納得出来れば購入する意思がある、ということを示すことも重要になる。
40万円の値引き額は不可能ではないが、交渉の手順を間違えると届かない。せいぜい25万円から30万円が提示される条件だろう。いかに交渉の主導権を持つかが決め手になる。