「イスト」は、2BOXとSUVを融合させたクロスオーバーSUV風のルックスで、数多いコンパクトカーの中でも異彩を放ち、現在のトヨタラインナップでは「ホンダ ヴェゼル」のような存在だ。 2007年登場の現行モデルは北米で展開するサイオンブランドの「xD」と共通のため、全幅が広がり3ナンバーになるなどによって国内の需要とはズレが生じ、サイオンブランドの事情によって左右されるモデルのため、2007年から8年目になってもモデルチェンジの噂も無く、販売台数は伸び悩んで月間数十台程度にと留まっている。
となれば値引きはどうなっているのか?。他社の同クラスコンパクトカーとの値引き比較をしてみました。
クロスオーバーSUV値引き比較表
イスト(ist) | ジューク | ヴェゼル |
アクア X-URBAN |
|
---|---|---|---|---|
車両価格 | 1,825,714~2,154,857 | 1,737,720~2,678,400 | 1,299,800~2,253,400 | 1,761,382~2,046,109 |
エンジン・排気量(CC) | 直列4気筒DOHC・1,496 | 直列4気筒DOHC 1,498 1,618 |
直列4気筒DOHC・1,496 i-DCDハイブリッド |
直列4気筒DOHC・1,496 i-DCDハイブリッド |
JC08モード燃費率(㎞/L) | 15.0~17.2 | 13.4~18.0 | 19.0~27.0 | 33.8 |
値引き予想額(万円) | 25~28 | 28~30 | 10~20 | 10~13 |
リセールバリュー(A・B・C) | B | B | A | A |
発売年月日 | 2007年7月 FMC | 2010年10月 NEW | 2013年12月 NEW | 204年12月 追加設定 |
最終変更時期 | 2012年6月 | 2042年7月 MC | ||
人気度(△A・B・C・D・E▼) | D | C | A | B |
トヨタ イスト
「イスト」を扱うネッツ店では、「アクア」「ヴィッツ」という主力コンパクトカーがあり、他にも「オーリス」「スペイド」「bB」と多数ラインナップされている。他社との競合以前に、まず店舗内での競争に勝ちぬかなければならないところに、「イスト」のジレンマがある。燃費でも居住性でもそして、安さでも同店舗内で併売される仲間たちには差をつけられているのにだ。
それは、他と違う個性に他ならない。このクルマを本当にクロスオーバーSUVとして選ぶ人は少ないだろう。ありきたりのコンパクトカーには乗りたくないという、つまり、「ホンダ ヴェゼル」を選ぶ人と同じであると思われます。それでは「ヴェゼル」を競合車種として合い見積もりを取ればいいのか。ホンダディーラーとしては、売上絶好調の「ヴェゼル」を大幅値引きする理由はなく期待できないので、「ヴェゼル」を検討しているということを、ネッツ店にて意思表示するだけでいい。「イスト」がSUV風のルックスと、燃費を初めとするスペックで上回り、モデルも新しく人気のある「ヴェゼル」に対抗するには、もはや値引きしかない。
問題は、ネッツ店としては「ヴェゼル」への対抗としては「アクアX-URBAN]を推し進めており、「イスト」の交渉に入りずらいこと。ここは価格や、どうしても4WDが欲しいという理由で、早急に回避して「イスト」に集中させなければいけないでしょう。販売店での在庫が薄いことも予想されるが、グレードをあまり絞らず、店舗側のおすすめ車種で納得するのも大幅値引きを得る条件になりそうだ。
日産 ジューク
コンパクトクラスのクロスオーバーSUVとして、「ホンダヴェゼル」より先に市場を賑わせたのが「日産ジューク」。個性的なルックスは、2BOXとSUVの融合という「イスト」のコンセプトに近いものがある。「ジューク」ではさらにクーペデザインとスポーツライクな走行性能も待たせたことで、より個性を鮮明にして成功を収めている。
しかし、最近の販売成績は、低燃費至上主義のコンパクトカー市場においては苦戦中で、「イスト」より新しいモデルでありながら、ランキング30居までにも入らず、深刻な状況である。したがって、一部のとんがったスポーツモデルを除いて、2WD、4WDともに値引きは増大しており、「イスト」と合い見積もりを取ることで、かなりいい数字が期待できる。「ヴェゼル」の影響は大きく、さらに「マツダCX‐3」がさらに追い打ちをかけるだろう。そうすれば「ジューク」の値引きはさらに広がるだろう。
ホンダ ヴェゼル
特に新しいコンセプトとは思えないが、燃費だけに偏りすぎたコンパクトカーに、違う選び方を思い出させてくれたクルマと言える。しかも低燃費性能は「フィット」からしっかりと受け継いでいる。
販売はホンダのリコール問題に足を引張られながらも快進撃を続けており、大幅値引きは無理。ハイブリッド車はほとんど無理で、1.5Lガソリン車ならある程度は可能だが、「イスト」や「ジューク」ほどは無理だろう。しかし、2015年2月にはクリーンディーゼルの「マツダCX‐5」」が発売され、その状況は一転する。よりSUVに特化した「CX‐3」は大反響を起こすはずで、「ヴェゼル」をすっかり色あせされる魅力を持っている。そうすれば「ヴェゼル」の値引きは解禁されるはずで、発売前の段階でも徐々にその影響は出始めている。
トヨタ アクア X-URBAN
2014年12月のマイナーチェンジで追加設定された「X-URBAN」が、「イスト」のライバルとなるか少々疑問ではあるが、2BOXとSUVの融合という「イスト」のコンセプトに、ぴったりはまり、ネッツ店でも扱われることから、最大のライバルになるのではないか。「イスト」以上にSUVルックなのだが、ハイブリッドシステムの都合で4WDの設定がなく、「X-URBAN」がライバルとして想定する「ヴェゼル」より、「イスト」に影響を与えている可能性もある。同価格帯で並んでいたら、4WDにこだわらなければ、「X-URBAN」を選ぶ人が大半ではないだろうか。
値引きで言えば今回の比較では最低水準。販売が絶好調の人気車種「アクア」のマイナーチェンジ直後、そして新設定された話題の「X-URBAN」となれば5万円も引かれれば交渉は終わる。しかし、リセールバリューを考慮すればけっして損はしないのが「アクア」シリーズだ。手放す時までその事は実感できないのだが。