軽キャブオーバー型ワゴンのベースとなる商用バンは、国内の流通で大活躍し、販売台数も乗用車に匹敵する台数を誇っている。しかし、乗用タイプのワゴンとなると、2大勢力のスズキとダイハツでも月間数百台レベル。そのOEM車両や他ブランドとなるとさらに少なく、月間数十台である。これらの車種がデビューした当時は、その広い室内スペースと経済性から、根強い人気もあったが、軽トールワゴンの出現により、あっという間に市場の表舞台から降りることになってしまった。
トールワゴンに市場を奪われたが車内の広さでは負けない
平均して4~5年でモデルチェンジする乗用車と異なり、モデルサイクルの長い軽バンと共通ボディを採用するこのクラスの宿命として、ほとんどの車種が発売からそうとうの年月がたっており、エンジンやミッションも旧態依然としているのも、最新の軽トールワゴンに対抗できない理由となっている。特に燃費性能においては歴然とした差があるのは乗用車として選ばれない最大の欠点である。
しかし、フロントにエンジンを配する軽トールワゴンがどんなに工夫しても、キャブオーバーワゴンの室内スペースにはかなわないということも事実。小回り性能も段違いで、一度その使い勝手を味わうと、乗用車に戻りたくないほどの魅力がある。
そんな流行からはみ出ているが、捨てがたい魅力のある軽キャブオーバーワゴンを値引きという観点から比較してみました。
軽キャブオーバー型ワゴン値引き比較表
スズキ エブリィワゴン | ダイハツ アトレーワゴン | ホンダ バモス/ホビオ | |
---|---|---|---|
車両価格 | 1,382,400~1,760,400 | 1,404,000~1,738,286 | 1,237,886~1,473,942 |
燃費 | 13.8~14.4 | 13.4~14.4 | 14.0~16.2 |
値引き予想額(万円) | 13~15 | 12~14 | 12~14 |
リセールバリュー(A・B・C) | C | C | C |
発売年月日 | 2005年8月FMC | 2005年5月FMC | 1999年6月NEW |
最終変更時期 | 2014年10月仕様変更 | 2012年12月一部改良 | 2012年6月一部改良 |
人気度(△A・B・C・D・E▼) | C | D | E |
スズキ エブリイワゴン
クラストップの売り上げ台数を誇るキャブオーバーバン「エブリィ」をベースとする乗用ワゴン。2005年にデビューし、これまでの安っぽさ前回の軽バン流用イメージとは一転、ミニバンを思わせる重厚なフロントマスクが、ベースの「エブリィ」との差別化を図っている。マツダ「スクラムワゴン」日産「NV100クリッパーリオ」そして三菱「タウンボックス」は同車のOEM車両であり、国内では極めてまれな兄弟ということになる。
値引き交渉には当然、最大で唯一のライバルであるダイハツの「アトレーワゴン」を競合車種に仕立てるが、このOEM群から一車種参加してもらうのも必須となる。軽自動車とは言ってもグレードによっては170万円を超えるため、「アルト」と同程度の値引きでは納得出来ない。目標は選択した車種の10%としたい。かなり近い線が期待できる。
少ない値引き交渉に時間をかけるより、もしクレジットの利用を考えているなら、利率の低いクレジット会社を探す努力をしましょう。最近の新車ディーラーは提携クレジットの金利も低くなっており、車種や期間限定の場合もあるが、通常の年利を引き下げている場合もあります。年間数万円の節約になり、購入時の値引き以上に得することがあります。
ダイハツ アトレーワゴン
バンとの差別化という点では、この「アトレーワゴン」も力を入れている。存在感あるメッキ基調のグリルに4燈式ヘッドランプを装備、しかも丸めだ。価格及びグレード構成は「エブリイワゴン」に準じるような形であり、敵対心むき出しの設定であるが、販売台数ではレベルの極めて低い争いである。
値引きも然り。「エブリイワゴン」に出来て同車に出来ないことはない。軽バンを含めこのクラスではスズキを負う立場になるので、「エブリイワゴン」プラスαは絶対条件である。また、現金値引きが難しい軽自動車の購入に際しては、各種キャンペーンを有効利用することが大事になります。たとえば、3月末までのキャンペーンでは、純正オプション5万円分プレゼントが行われている。この場合の注意としては、オプションプレゼントはあくまでプラスαのものであり、見積もりに加えてしまわれないこと。値引き5万とオプションサービス5万円分で、合計10万円の値引きという話では意味がない。10万円の値引きにプラスして5万円分のおプションサービスであることを忘れずに。
ホンダ バモス/ホビオ
この車種の場合は、基本ボディが1999年登場の商用バン「アクティ」であるため、非常に古い。フロントのデザインは「アクティ」と差別化されて、個性的なルックスとなっているが、ターボ仕様の設定もなく、内装も上記2車種と比較するとシンプルで、「アクティ」との差があまり感じられない。ボディカラーのバリエーションも少ないが、価格設定も低くし、レジャーユースでの利用を考慮している点が独自のコンセプトであるが、実際には購入層のほとんどが、ビジネスユースとしての利用であり、個人が乗用車として利用するのはまれ。商用車としての購入方法としては、「で、いくらにしてくれるの?」という交渉の仕方がほとんど。忙しい事業主は値引き交渉に時間をかけたくないのだ。出来る条件を全部吐き出すのが鉄則。買う側売る側もどちらもだめならあきらめる。
価格設定が低いので上記2車より値引き金額そのものは低め。それでも10%は狙いたい。