トヨタのオーリスは1.5車と1.8L車をラインナップするハッチバックモデルです。
国内ではやや大き目な排気量を持つために1.5L以下クラスのコンパクトカーに比較して一回り大きなボディとなり、燃費では不利になりますが、余裕のあるボディサイズは居住性において有利となります。
販売苦戦中のハッチバック
一長一短があるのですが、昨今の流れとしては、燃費が最優先される風潮が強く、販売台数では苦戦しているのが実情です。
オーリスにしても1.5L車が販売のメインとなっていますが、わずか0.3Lでも余裕のある1.8Lエンジン車のパフォーマンスの方が比べれば断然良く、1.5L車との車両価格の差も意外と少ないのですが、1.8L車を選ぶ人は少ないようです。
このような車種に、2.0Lをラインアップするマツダの「アクセラ」、同じくスバルの「インプレッサ」があります。
そこでこの3台を値引きという観点に絞って比較してみました。
ハッチバック値引き比較表
オーリス | アクセラスポーツ | インプレッサスポーツ | |
---|---|---|---|
車両価格 | 1,758,857~2,314,286 | 1760400~3,067,200 | 1,598,400~2,419,200 |
排気量 | 1.5L 1.8L | 1.5L 2.0L 2.2LDE | 1.6L 2.0L |
JC08モード燃料消費率(㎞/L) | 14.4~18.2 | 17.8~21.4 | 15.4~17.6 |
値引き予想額(万円) | 25~28 | 28~30 | 25~28 |
リセールバリュー(A・B・C) | B | B | B |
発売年月日 | 2012年8月FMC | 2013年11月FMC | 2011年12月FMC |
最終変更時期 | 2014年8月12月一部改良 | 2014年11月MC | |
人気度(△A・B・C・D・E▼) | C | B | C |
トヨタ オーリス
ネッツ店では「オーリス」以外にも「アクア」「イスト」「ヴィッツ」「スペイド」「bB」とコンパクトカーのラインナップが豊富。
その中では販売が苦戦中だ。
低燃費でもスポーティーでも、そしてラグジャリーでもなくポジショニングがハッキリしないのが原因だろう。
多銘柄の競合車を利用するのも値引きを引き出す方法だが、価格の低い他のコンパクトカーを進められる可能性も多い。
「オーリス」の値引きを拡大させるよりも得策で、多くの車種を扱うトヨタ系ディーラーならではの販売手法である。
ライバルのどんな車種にも対抗できる多彩なラインナップを揃える。
ベストチョイスは買い得感のある「1.5X“S Package”」なのだが、約28万円安い「1.5X”C Package”」の見積もりを取ることから始める。
最初に条件が提示されたら、その総支払額のまま「1.5X”S Package”」を購入することを逆提案する。
最終的に差額の28万円が値引かれれば成功とするが、こちらかた提案する場合は相手が飲めない条件でないと意味がありません。
相手が飲めそうな条件では相手の術中にはまることになります。
上限が察しずらい場合は多め多めで構わないでしょう。
あくまで希望価格なのでいくらでもいいのですが、極端な額、例えば半額などという額を言い出せば、購入する意思がないと思われます。
40~50万円ぐらいが簡単には納得できず、しかし条件次第で契約させられると判断してもらえるので丁度いいでしょう。
リセーリバリューを考えても装備の充実した「1.5X”S Package”」などは良い選択でしょう。
マツダ アクセラスポーツ
マツダの新基準である「SKYACTIV」と「鼓動デザイン」を初めて本格的に採用した「アクセラ」。
セダンよりもハッチバックタイプの「スポーツ」の方が需要があるのは事実だが、現在では販売が順調とは言い切れない。
原因は「オーリス」と似ている。
1.5Lと2.0Lのガソリンと、2.2Lエンジンという3種のエンジンラインナップを揃え、発売当時にはクリーンディーゼル人気でバックオーダーを多数抱えていたが、現在は低迷中だ。
1.5L車の評価も高く、販売の中心のなるものの、「デミオ」のフルモデルチェンジですっかり話題も受注も奪われてしまった。
「デミオ」より大きなサイズのボディなので当然居住性は上だが、「デミオ」の人気グレードである1.5Lのクリーンディーゼル車と同価格帯であるのが最大の問題点であり、値引きを狙うのには絶好のネタにもなる。
人気のデミオの1.5Lクリーンディーゼル車は値引けないが、同じ価格帯で、よりゆとりのある室内を持つ「アクセラスポーツ」を、大きく値引けるという話は、必ず出てくるので乗っかることにしよう。
納期のかかるクルマより即納出来るクルマを売りたいのは間違いない。
合い見積もりは取らなくても、競合車があることをにおわす程度でいいでしょう。
価格次第では必ず購入するという意思を示せばガソリン車は大幅値引きが提示される。
出来れば2.0L車ならさらに上乗せできるだろう。
リセールバリューではクリーンディーゼル車には及ばないが、ガソリン車の評価も非常に高いので、以前のマツダ車のようなことはないはずだ。
スバル インプレレッサスポーツ
「インプレッサスポーツ」には2.0Lと1.6Lのラインナップがあり1.6Lが販売の主力になっている。
「オーリス」や「アクセラスポーツ」と異なるのは、ラインナップに競合する車種がないことだ。
トヨタからのOEM車種である「トレジア」があるが、OEM車より自社製品を売りたいのは当然のこと。
ここはマツダ「アクセラスポーツ」を競合車種に値引きを引き出そう。
どこまでマツダの値引きに付き合えるかだが、30万円は狙えるはずだが1.6L車は「アクセラスポーツ」よりベース車の比較では20万円ほど車両価格が安いので、アイサイト装着車との比較がつり合いがとれるでしょう。
実際にもリセールバリューを考えれば、アイサイト装着車を選ぶのが賢明です。
走りより燃費にニーズが集まるハッチバック
1.5L以上のエンジン排気量を設定するハッチバック車が、販売において伸び悩む原因は、主に身内により明確なコンセプトのライバルが存在するからだろう。
「インプレッサ」だけは状況が違うので、販売自体は順調で、スバルの好業績の一役をになっている。
しかし、そのことが他の2車、特に「オーリス」の販売を阻害しているわけではなく、ハッチバック車に求められる要素が燃費に集中していることが原因。
トヨタ車の標準装備になりつつあるハイブリッド車が設定されない「オーリス」は、もっとも苦しい現状である。