「カローラルミオン」は2007年から販売されており、トヨタの乗用車ラインナップでは異例の長寿モデルです。北米で展開するサイオンブランドの「xB」をベースにしたモデルで、国内ではカローラシリーズとして販売されていますが、「オーリス」系のプラットフォームを流用することで車幅は、1700mmを超える3ナンバーボディとなるなど、他のカローラシリーズとは大きく異なっています。そのため、カローラシリーズがモデルチェンジをする中、基本構造は変わらず販売され続けている車種です。
この「カローラルミオン」と比較するのはどんな車種が適当なのか?コンパクトハッチでもなく、ステーションワゴンでもSUVでもない独特の存在は、ぴったりくるライバルがいないのです。それでも日産の「キューブ」も独特の世界観を持ち、「カローラルミオン」と近いモデルと見ました。ホンダの「フィットシャトル」もステーションワゴンとは思えないスタイルで「カローラルミオン」と近いのでは?ということでこの2車との比較を試みます。
尚、「フィットシャトル」については執筆中の3月に生産・販売を終了したという情報が入りましたのでご了承下さい。
個性はコンパクトカー値引き比較表
カローラ ルミオン | キューブ | フィットシャトル | |
---|---|---|---|
車両価格 | 1,800,000~ | 1,598,400~ | 1,686,857~ |
エンジン形式 | 直列4気筒 1.5 1.8L | 直列4気筒 1.5L | 直列4気筒1.5L1.3Lハイブリッド |
JC08モード 燃料消費率 | 14.6~17.8 | 19.0 | 14.6~26.2 |
値引き予想額 | 25~28 | 26~29 | 30~35 |
リセールバリュー (A・B・C) | B | B | A |
発売年月日 | 2007年10月 NEW | 2008年11月 FMC | 2011年6月 NEW |
最終変更時期 | 2013年1月 一部改良 | 2012年10月 MC | 2015年3月 終了 |
人気度(A・B・C・D・E) | D | C | A |
カローラルミオン
今一番お買い得なカローラ
発売から8年が経過するモデルなだけに、購入する側としては大幅値引きを期待したいところです。1.5L車のベースグレードでも180万円と割高で「アクア」も余裕で購入可能。1.8Lになると「プリウス」も圏内に入る。この車を購入するメリットは通常は思いつかないが、あるとすればお買い得な価格だけだ。1.5Lベース車の「1.5X」の総支払額で、43万円差の「1.8S」を狙う手もあるが、動力性能は1.5Lでも十分なため無理してまで1.8L車を購入する理由は見当たらない。そこで、43万円の値引きが現実になったら、同じ条件で、「1.5X“AEROTOURER” 」を狙うのが現実的でしょう。「カローラルミオン」の中でも中心となる車種だけに、リセールバリューも期待できる。
日産 キューブ
古さを感じさせない個性派だけに、気に入ればお買い得な車種
現行「キューブ」も2008年デビューなので、「カローラルミオン」同様に古いモデルになってしまっている。しかし、独特の左右非対称デザインのボディのためフルさをあまり感じないという利点もあります。とはいえ、日産のコンパクトカークラスは「ノート」が主役。比べるとパワーユニットも差があり、燃費などのスペックも見劣りする。また、「カローラルミオン」ほどではないが、売れ筋グレードは割高なこともあり、競合車種相手に値引きは拡大せざるを得ない。ベースグレードが160万円「アクシス」が186万円ということなので、この26万円差をまずクリアしたい。
「カローラルミオン」を競合相手に選ぶより、価格の近い他のコンパクトカーの中からマツダの「ベリーサ」を選んでみたい。まだ売っていたのかと言うくらいの長寿モデルは、「デミオ」よりも利益率が高く、当然値引きもしやすい車種。車両価格も160万円からと非常に近く、車自体のイメージは「カローラルミオン」と競合しそうもないが、値引きを引き出すには好都合な車種です。
ホンダ フィットシャトル
在庫さえあればハイブリッドも大幅値引き最大のチャンス
3月に生産・販売を終了した「フィットシャトル」ですが、もし在庫車があれば最大のチャンスでしょう。モデルチェンジされる新型の登場を待たず
に生産・販売を終了したということで、無駄な在庫を残さずに計画されていると思うので、あまりチャンスは無いかも知れませんが、注視から間もなく、グレードやボディーカラーの兼ね合いで、ある程度は残る可能性があります。ディーラー営業マンに情報をもらえるようにしておくことが大切で、付き合いのない新規ユーザーには高いハードルかもしれません。
新車を賢く購入する方法は、値引きだけでは語れない
新車を安く購入するには「カローラルミオン」のような発売から年数のたった車種がねらい目ですが、古い車種だけに燃費も良いとは言えず、減税などの恩恵にも預かれません。これを知った上で購入しても、今度は手放す時のリセールバリューが期待出来ません。結果として新車販売は低迷しているのです。それでも購入資金を少しでも減らしたいということであれば、「カローラルミオン」は狙い目の一台です。
もう一つの方法は「フィットシャトル」のように、フルモデルチェンジ直前のモデルを狙う方法です。その為には普段からの情報収集が必要で、一番確実な方法は営業マンからの情報ですが、一見の客には中々難しいため、その店舗の顧客ならではの利点と言えるでしょう。安く購入出来る車を求めて様々なディーラーを回るのも、好きな人にとっては楽しいものですが、ディーラーとの間で信頼感関係を築いておくのが、結果的に得するということも事実です。