トヨタ・クラウンシリーズの最上級車とは言っても「クラウン」と「マジェスタ」はまったく別のラインナップです。「マジェスタ」はボディサイズで他のクラウンシリーズより大きく、パワートユニットもハイブリッドのみの設定になっている。メーカーではトヨタ車の頂点に位置するモデルであることを強調している。
ではその高級車の値引きはどうなっているのか。庶民には関係ない話かも知れないが、国産高級車のもう一角を占める日産「シーマ」を値引きという面から比較してみました。
マジェスタとシーマの値引き比較表
クラウンマジェスタ | シーマ | |
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車両価格 | 6,274,286~ | 7,560,000~ |
エンジン形式 |
V型6気筒3.5L +ハイブリッド 直列4気筒2.5L |
V型6気筒3.5L +ハイブリッド |
JC08モード 燃料消費率 | 18.2~19.0 | 16.6 |
値引き予想額 | 28~30 | 30~35 |
リセールバリュー (A・B・C) | C | C |
発売年月日 | 2013年9月 FMC | 2012年5月 FMC |
最終変更時期 | 2014年7月 Fourを追加設定 | 2015年2月 MC |
モデルチェンジ 予定 | 当面予定はなし | 当面予定はなし |
人気度 (A・B・C・D・E) | C | C |
トヨタ マジェスタの概要
2925mmもの長さをもつホイールベースを誇るボディは、全長4970mmの後席の居住性のよさももちろんだが、自分で運転するひとにとっても、3.5リッターV6エンジンとモーターのシステム全体出力は343psで、パワフル感が味わえる。 「アクティブステアリング統合制御」や、ナビと連動する「NAVI-AI-AVS」などの、「見えない」サポートが、トヨタの高級車ならではの特長。
トヨタ マジェスタの値引き
「マジェスタ」は当然のように日産「シーマ」も候補にしていることや、ベンツやBMWなど新車・中古車含めて輸入車も競合相手だという状況をハッキリさせる商談をします。「マジェスタ」同士の競合も問題なく、東京ならトヨタ店とトヨペット店の競合も可能です。また、このクラスのす車種を購入される方は通常、下取り車があると思われますが、この下取り価格や買取価格の差が現金値引き以上に大きく響くことになります。値引き交渉というより下取り価格の交渉になりがちで、実際の値引きがうやむやになる場合もあります。ディーラーとしても、値引き額を10万円増やすより、ある程度の価格が残る下取り車なら、下取り価格を10万円上乗せする方が簡単でしょう。
買取り店で手放すことを前提にすると、現金値引きの額がハッキリとします。もちろん下取りに入れた場合との総支払額で比較しなければいけませんが、今お乗りの車をどうするかは、商談においての重要な武器になるでしょう。
日産 シーマの概要
「フーガ」と同様の3.5L VQ35HRエンジンを搭載し、1モーター2クラッチ方式のハイブリッドモデルのみが用意され、駆動方式は全車FRとなる。グレードにはベースグレードの「ハイブリッド」、「ハイブリッド VIP」、そして最上級グレードの「ハイブリッド VIP G」の3グレードが用意され、上級グレードの「VIP」および「VIP G」にはセミアニリン本革シートや後席パワーシート、などが標準装備され、最上級グレードの「VIP G」には後席用ヘッドレストモニターなどがさらに装備される。 三菱の「ディグニティ」はこの「シーマ」がベースとなる、OEM供給車両になります。
日産 シーマの値引き
値引き額30万円台、オプション品によっては数万円の上乗せというところですが、東京や大阪などの都市部では輸入車などの競合も多く、40万円の大台も可能な状況。「マジェスタ」はもちろんのこと、「クラウン」や「シーマ」のOEM車である三菱の「ディグニティ」も合い見積もりしてみましょう。
三菱ディーラーにとって、滅多に引き合いのない高利益車種だけに、多少の値引きの差で逃さないために、必ず日産プラスαの条件を約束するでしょう。もちろん日産も同じ条件を出すはずで、どちらも「このことはナイショで」ということになりますが、そんな身内の問題は気にする必要はこちらにはありません。
下取り車をどうするかと言う問題は「マジェスタ」と同じですが、高額車の場合にもうひとつ重要になるのが支払方法の問題。クレジットを利用するケースでは、クレジット会社選びが重要になります。支払額の半分をクレジットで分割払いするとしても、400万円からの残金になりますので、1%の差がトータルで大きな差になり、値引き額が消えるほどにもなりかねません。下取りか買取りかということ以外に、どこでクレジットを組むかということも考える必要があります。
今後は輸入車に対抗しうるイメージの確立が急務
「マジェスタ」を含めた国産高級車はユーザーの高齢化という問題を抱えている。フルモデルチェンジされた高価格のアルファードやメルセデスなどの輸入高級車の販売は順調であるから、その車両価格ではなくイメージの問題があるのではないだろうか。欧州の高級セダンに馴れているひとを引き付けるには、このイメージの刷新が必要でしょう。マイナーチェンジされた「シーマ」はユーザーの若返りを狙ったスポーツイメージを前面に押し出す戦略を推し進めています。
値引きについては、数多くを販売するつもりがないので値引きを拡大し、価値を下げるような販売手法はさけるのが、バブル期の高級車販売とは異なるところですが、デューラーとしては1台あたりの利益は大きく、10万円多く値引かなかったために成約を逃すのはなんとも悔しいことです。このあたりは、メーカーの思惑と、現場とのギャップであり、購入者側としては付けこむ隙はありそうです。