「プリウス」の大成功を糧に次にトヨタが投入したのが、4ドアセダンのハイブリッド専用車種の「SAI」。「プリウス」のような人気モデルになるかと思いきや、その後のセダン不況を暗示するかのような販売状況に終わり、ハイブリッドをしてもセダンが売れないという結果が重くのしかかりました。それでは値引きはどうなっているのでしょうか。
そこで、マイナーチェンジを受けて僅かに勢いを取り戻した「SAI」と、同じくマイナーチェンジで魅力を増したといわれる「カムリ」。そしてディーゼルという選択をした「アテンザ」の値引き状況を見てみましょう。
目次
値引き比較表
トヨタ SAI | トヨタ カムリ | マツダ アテンザセダン XD | |
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取扱いチャネル | トヨタ全店扱い | カローラ店 | マツダ系全店 |
車両価格 | 3,301,714~ | 3,207,600~ | 3,175,200~ |
エンジン形式 | 直列4気筒2.4Lハイブリッド | 直列4気筒2.5Lハイブリッド | 直列4気筒2.2ディーゼルターボ |
JC08モード 燃料消費率 | 22.4 | 23.4~25.4 | 20.0 |
値引き予想額 | 23~25 | 23~25 | 26~30 |
リセーバリュー(A・B・C) | B | B | B |
発売年月日 | 2009年12月 NEW | 2011年9月 FMC | 2012年11月 FMC |
最終変更時期 | 2013年8月 MC | 2014年9月 MC | 2015年1月 MC |
人気度(A・B・C・D・E) | B | B | B |
トヨタ SAIの概要
2.4L 直列4気筒DOHCとモーターを組み合わせた「リダクション機構付きのTHS II」システムを搭載。JC08モード走行燃費22.4km/Lの低燃費を実現している。「カムリ」よりも旧型で不利なパワーユニットではあるが、マイナーチェンジでイメージを一新し、スポーティーさを打ち出すことによって、日本国内専用モデルとしての利点を生かしたも配慮がされている。
トヨタ SAIの値引き
カローラ店の利用がポイント
全チャネルで取り扱われる車種のため、「SAI」目当てのユーザーがいても、新規ユーザーが来店する確率は四分の一になっているのだ。その為一つの店舗に訪れる新規客は貴重な存在です。しかし、値引き交渉において行き詰まると、他車種を勧められることがある。これは多くのラインナップを抱えるトヨタ系の販売店ならではのやり方であり、今なら価格が下の「プリウス」への変更を勧められる事が多いでしょう。値引きが多いわけではありませんが、総支払額が少なくなるために買いやすくはなりますので。「SAI」を購入する意思をはっきりと伝えることも必要です。
カローラ店扱いの「カムリ」との合い見積もりを行うには、注意が必要。「SAI」も扱っているため、他店で先に見積もりを取っておいた方がいいでしょう。
トヨタ カムリの概要
北米市場のベストセラーを、セダン市場の低迷する日本市場に投入するにあたり、ハイブリッド車のみの設定とした通算9代目にあたる現行「カムリ」は、高級感・存在感あふれるセダンスタイルに、2.5L アトキンソンサイクルエンジンを採用し、走行燃費は25.4km/Lとなった。しかし、車両価格は歴代「カムリ」で最も高いものになり、販売実績は低迷。しかも同じトヨタ陣営からはすでに国内専用モデルのハイブリッド車、「SAI」がすでに販売されているから問題は根深い
トヨタ カムリの値引き
やはり扱いチャネル選びが重要
もっと売れても良さそうだが、現実にはそうではなさそうだ。月販700台なので計画通りといえば言えるが、とてもベストセラーカーには思えない。では大幅値引きが望めるかと言えば、それも違いそうだ。前記したように拡販車種ではないこともあり、値引き幅を拡大してまでの販売はしないようだ。一番のライバルは「SAI」だが、実は「カムリ」を販売するカローラ店では「SAI」も取り扱っているのだ。
ここは両方の見積もりを取る事をお勧めする。出来れば事前に他店にて「SAI」の見積もりと値引き条件を出してもらっていれば都合が良いでしょう。カローラ店にとっては、全店で扱う「SAI」よりも、自らの系列でしか販売していない専売車種の方が値引けるはず。その有利さを引き出すお膳立てをしてあげましょう。
マツダ アテンザセダンディーゼルの概要
トヨタのハイブリッド2車に他社で対抗できるこのクラスのセダンは「アテンザセダンディーゼル」だけだろう。燃費ではわずかに届かないが、燃料代やクリーンディーゼル補助金などで経済性では負けていない。動力性能では上回り
4WDも設定されるなどラインナップも充実。セダンに必要な高級感も現行モデルではトヨタ車にまけていない。
マツダ アテンザセダンディーゼルの値引き
最後は値引きで
ディーゼルエンジンの高評価が定着し、ハイブリッド車を選ぶ方も比較検討することもある。シリーズ全体の中では大半を占めるだけに、普通の交渉ではマツダ車としては控えめな値引きになりかねない。同車にはガソリン2.0Lと2.5Lがあり、同じくSKYACTIVテクノロジー採用で評判は非常に高いが、ディーゼル人気の陰にかくれがちだ。
そこで、2.5L車も見積もりを取り、値引き額を提示してもらいましょう。ディーゼル車の販売比率を下げる為にガソリン車の販売を積極的に推進するマツダディーラーは、お買い得価格を提示してくれます。もちろんその値引き額でディーゼル車を購入する方向に交渉するのは言うまでもありません。利益率は低いわけではありませんから十分可能です。
総評:少ない値引きで納得する魅力があるのか
「カムリ」が北米であれだけヒットしていても、北米仕様そのままでは日本のニーズに合わないのは当然ではあるが、国内専用モデルの「「カムリ」がまで多くを販売できないのは、セダン市場が冷え切っている日本市場の特徴。理由はともかくユーザーとしては、値引いてくれれば購入することも不可能ではないのだが、高級車路線でのままでは、大幅に値引いてもらえても「プリウス」よりかなり高額なまま。
最大の売りであるはずの、経済性のあるミドルクラスセダンという看板も、マツダのディーゼルと比較すると魅力が半減してしまう。その値引きもマツダディーラーの方が柔軟で、ハイブリッドセダンを購入したいという意気込みは消えそうだ。