好調な販売が続く軽自動車の中で、現在最も人気が高く、販売台数の約4割を占めているのが車高が1700mm以上の「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるクラス。軽自動車の規格いっぱいのボディサイズで広々とした室内空間を実現。コンパクトなサイズによる取り回しのよさと、見た目からは想像のできない室内空間の広さで人気を獲得している。
その人気を牽引するのがスポーティーで上級装備の通常「カスタム」と呼ばれる派生車種である。ベース車より高額で、コンパクトカーを超える車両価格ながら多くの支持を得ており、全てのスーパーハイトワゴンに設定されている。
そこで、このクラスを代表する車種である、スズキの「スペーシアカスタム」を中心に、スーパーハイトワゴンを値引きという側面から比較してみました。
値引き比較表
スペーシアカスタム | タントカスタム | デイズルークハイウェイスター | N-BOXカスタム | |
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車両価格 | 1,452,600円~ | 1,520,572円~ | 1,560,000円~ | 152,0000円~ |
エンジン形式 | 直列3気筒 658㏄ | 直列3気筒 658㏄ | 直列3気筒 659㏄ | 直列3気筒 658㏄ |
JC08モード 燃料消費率 | 27.8㎞/L~ | 28.0㎞/L~ | 26.2㎞/L~ | 25.6㎞/L~ |
値引き予想額 | 12~14 | 10~12 | 13~15 | 10~12 |
リセールバリュー (A・B・C) | A | A | A | A |
発売年月日 | 2013年3月NEW | 2013年9月FMC | 2014年2月NEW | 2011年11月NEW |
最終変更時期 | 2014年5月 仕様変更 | 2013年12月 一部変更 | 2015年4月 一部改良 | 2015年2月 MC |
人気度 (A・B・C・D・E) | B | A | B | A |
スズキ スペーシアカスタム
魅力不足も値引きしきれず
「スペーシアカスタム」では燃費性能は「タントカスタム」に僅かに及ばないが、「N-BOXカスタム」「デイズルークスハイウェイスター」などよりは上。このようにライバルに対してけっして劣らない内容なのに販売が伸びないのは、「カスタム」の魅力不足かもしれない。一応、定番のメッキ加飾やエアロパーツは装備しているが、子育てママ仕様車のイメージが抜け切れていないのだ。
そんなわけで、値引きは今回の比較車の中では多い部類に入るが、一番ということではなさそうだ。これだけの実力がある同車が、大幅値引きすればもっと売れていておかしくはない。それがこれだけ苦戦しているということは、そこまで値引きを拡大しなくても、他車種が売れているからかまわないということ。逆に、絶好調の「ワゴンR」や「ハスラー」、そして新型「アルト」の販売に影響が出るような値引きは控えているとも言える。
ダイハツ タントカスタム
最大のライバルはN-BOX、スペーシアは眼中になし
「タント」最大の訴求ポイントは「ミラクルオープンドア」だ。その特徴を持ったまま、豪華装備とスポーティーなルックスにしたのが「タントカスタム」。それほど嫌味のないスッキリとしたエクステリアは女性でも違和感のないイメージで、ファニーすぎるベース車よりも人気だ。
値引き額は販売が絶好調につき「スペーシア」よりは下回る。それでも売れるはずと言うことである。今やスズキの「スペーシア」よりは、ホンダの「N-BOX」が最大のライバルであり、交渉時には「N-BOX」も検討中であることは必ず伝えよう。
ホンダ N-BOXカスタム
クラスナンバーワンの販売実績だが値引きも柔軟
フィット譲りのセンタータンクレイアウトを可能にしたプラットフォームを採用し、今回の比較車両よりも足元が広く、誰にでも似合うスクエアなデザインが人気。その「カスタム」は、一層スクエア間を際立たせ、メッキ加飾を過剰なまでに 採用する。一歩間違えると趣味の悪い「デコトラ」のようだが、これが人気なのである。
値引きに関しては、マイナーチェンジ後はさすがに控えめな状況だが、せっかくの勢いを削がないように積極的な販売は続いています。燃費性能の大幅な少なく、フルモデルチェンジまでこのまま行くのであれば、値引きを抑えたくても無理な話である。
日産デイズルークスハイウェイスター
後発ゆえに値引きも辞さず
2015年4月には改良をほどこして燃費はクラストップにはまだ差があるものの、「エマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)」、「踏み間違い衝突防止アシスト」を全社標準装備しするなど商品力を高めた。
値引きに関してもかなり柔軟な姿勢を示しており、上級装備車など割高な車種は期待できる。もちろんライバルを視野に入れた選択をするつもりであることは売る側も承知しており、提示額は慎重だが最後にはオプションやクレジットなどの条件付きながらも、最上限の値引き額を引き出せる。
三菱 ekスペースカスタム
最後は日産以上を期待
日産「デイズルークスハイウェイスター」と同型の姉妹車で、両車とも三菱が生産を担当している。。販売台数は比較車の中で一番少なく、「ek」シリーズ合計でもスズキのOEM車である日産の「モコ」より劣る程度。それでも三菱では好調とするのは、販売力の差。旧「ekワゴン」よりは売れているのだ。そんな控えめな三菱ディーラーでは他にヒット車もないので、軽自動車も積極的に販売する。一番効果的なのは日産との合い見積もり。両陣営の間で少なからず約束事はあると思が、買う側としては気にする事はありません。日産以上を期待していいでしょう。
どれも同じなら最後は値引きの一声が決め手に
軽自動車としては価格も高く、メーカーやディーラーにとっての飯の種であるドル箱車種ゆえに、そう簡単に値引きしたくないのが本根でしょう。しかも、各車とも販売が好調であり、商品力だけで売れる状態なのでなおさらです。しかし、コンパクトカーなどに対してのことであり、性能的にも横並びである同クラスのライバルには通用しないケースも多くなっている。他社より少しでも値引くことが出来れば、燃費で劣っていても経済性の優劣も逆転してしまいます。
カスタムに関しても同様で、メッキ加飾とエアロパーツそしてLEDと大型アルミホイールという定番アイテム。もはや車種の判別が不可能な状態はベース車以上。なら安い方に決めたくなるのはユーザーの心理。そこをうまくくみ取るディーラーは必ずあります。