2011年にビッグマイナーチェンジをして生まれ変わったとはいえ、基本的には2003年にデビューした古い車種である「シエンタ」。なぜこんなにも長く発売し続けているのかと言えば、他に類を見ないコンパクトカーサイズでありながら3列シートを備えたミニバンであることと、積極的なモデルチェンジを行ったり、新規車種を投入するほどには売れるクラスではないということが理由でしょう。
では値引きはどうでしょうか。かなり期待できるのか、大幅値引きしてまで拡販する気がないのか。数少ない同クラスのライバルであるホンダの「フリード」と、値引きという側面から比較してみました。
値引き比較表
トヨタ シエンタ | ホンダ フリード | |
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トヨタ車 扱いチャネル | カローラ店 | – |
車両価格 | 1,671,427~ | 1,746,000~ |
排気量 | 1.5L | 1.5L ハイブリッド |
乗車定員 | 7人 | 6人 7人 |
駆動方式 | FF | FF 4WD |
JC08モード 燃料消費率 | 17.2㎞/L | 13.2~16.6㎞/L |
値引き予想額 | 28~32万円 | 28~30万円 |
リセールバリュー (A・B・C) | B | A |
発売年月日 | 2003年9月NEW | 2008年5月NEW |
最終変更時期 | 2013年9月 一部改良 | 2014年4月MC |
FMC予定時期 | 2015年7月 | 2015年11月 |
人気度 (A・B・C・D・E) | D | B |
トヨタ シエンタ
いよいよFMC ユーザーにとっては最大のチャンス到来
「シエンタ」は2015年7月には、フルモデルチェンジされる情報も出始めており、交渉の際には話題にして「新型を待つ」ポーズも必要。しかし、すでに4WDが生産終了しているように、無駄な在庫車を抱えないように生産調整はするので、モデルチェンジ間際になると、目的のグレードやボディーカラーなどの在庫状況の確認は必要。現行モデルが気に入っているのなら、最大のチャンスであることは間違いない。
また、大幅値引きで購入を決めても、新型が登場すると、「やっぱり新型がいい」ということで、現行モデルをキャンセルするケースは意外と多い。モデルチェンジ後も、ディーラーによってはこのような訳アリ車があることもある。中古車になる前に新車として販売するために格安で処分する情報をつかめたらラッキーです。
競合車種として必ず相見積もりを取得したいのが、実質的に唯一のライバルとなるホンダ「フリード」のNA1.5Lモデル。ハイブリッドモデルが人気のため、NAモデルは値引きが引き出しやすく、こちらも2015年中のモデルチェンジという噂も出始めているので交渉しやすい。
リセールバリューも考え、「DISE」の4WD狙いでいきたいのですが、在庫のある他グレードも並行して見積もり、差が出るかどうか確認も必要です。
ホンダ フリード
次期シエンタ登場前が最大の山場
販売も順調で、「シエンタ」が作り上げたコンパクトミニバンの市場をすっかり奪った形の「フリード」。旧型のハイブリッド車であっても、「シエンタ」相手なら十分リードできるスペックを持っているのが強みだ。「フィット」が順調に販売台数を伸ばしているために、最近はやや低調な販売成績になってきているため、昨年までは渋かった値引きも緩み始めている。さらに「シエンタ」が先にフルモデルチェンジされるために、7月前後まではかなり販売が強化される見込みだ。
「シエンタ」ほどモデルチェンジが近づいていないので、単独で大幅値引きは期待出来ないが、「シエンタ」阻止のため対抗策は取ると思われる。新型の「シエンタ」は確実に商品力をアップさせるため、現行車種のうちに潜在的ユーザーを掘り起こして刈り取る作戦だ。ズバリ、対シエンタ販売対策として、「シエンタ」の見積書など、競合が確認されれば、それ以上の値引き額は確実に出る。
総評
在庫処分のシエンタVSまだ売り続けなければならないフリード
そして忍び寄る軽スーパーハイトワゴンの影
3列シートを選ぶなら、より室内スペースの広い「ノア」クラスのミニバンを選ぶ人が圧倒的に大城はずで、それは販売台数にも現れています。それらミニバンをあえて選ばずばなかった理由の一つは、大きなボディによる取り回しの不安がある。であれば「ウィッシュ」「アイシス」があり、それでもダメなら「シエンタ」という鉄壁のラインナップを持つトヨタ。中でもネッツ店である。
しかし、このラインナップを一気に飛び越えて軽自動車を選ぶユーザーが増えている。その軽自動車が「タント」に代表されるスーパーハイトワゴンだ。主要顧客である子育て中の主婦層がそっくり持っていかれているのだ。
そんな中、孤軍奮闘する「フリード」と「シエンタ」がいよいよフルモデルチェンジを向かえます。特に7月にモデルチェンジするとされる「シエンタ」は、「アクア」と同じハイブリッドを採用するのは明白で、パッケージングに何のある「アクア」に変わって代ヒットの予感さえします。また、「フリード」はダウンサイジングされたターボエンジンを搭載することで差別化を狙っています。
さらに日産の「キューブ」後継車が3列シートを復活させ、2015年中の発売予定とも言われています。2015年はこのニッチな市場が一躍ムーブメントを起こしそうですが、それだけに、値引きなら今がチャンスと言えるでしょう。在庫処分の「シエンタ」は7月まで、「シエンタ」対策に血眼の「フリード」は11月まで、在庫状況を確認しながら大幅値引きを狙いましょう。ともに次期型は大幅に値上げされるはずなので、現行モデルはお得なはずです。