「ハスラー」が大人気で、直近の販売状況でもベースの「ワゴンR」を上回り、軽自動車税の増税後も勢いは止まらず、前年比を大きく上回っている。ライバルも魅力的なモデルを投入してきた。それは「ハスラー」のようなクロスオーバーSUVではなく、ホンダはファッショナブルな「N-BOXスラッシュ」、ダイハツはトールワゴンを上回るスペースを持つ「ウェイク」であった。そこで、「ハスラー」と並ぶ新機種の「N-BOXスラッシュ」と「ウェイク」を値引きという側面から比較してみました。
目次
値引き比較表
ハスラー | ウェイク | N‐BOX/ | |
---|---|---|---|
車両価格 | 1,078,920~ | 135,000~ | 1,380,000~ |
JC08モード 燃料消費率 | 23.2~32.0㎞/L | 23.2~25.4㎞/L | 21.8~25.8㎞/L |
値引き予想額 | 10~12万円 | 7~9万円 | 8~10万円 |
リセールバリュー (A・B・C) | A | A | A |
発売年月日 | 2014年1月 NEW | 2014年11月 NEW | 2014年12月 NEW |
月間販売予定 台数 | 5,000台 | 5,000台 | 2,500台 |
最終変更時期 | 2015年5月 一部改良 | 2015年4月 仕様変更 | |
同クラス人気度 (A・B・C・D・E) | A | B | B |
スズキ ハスラー(OEM車:マツダ フレアクロスオーバー)
あえて「S-エネチャージ」を避けて活路を見出す
計画を大幅に上回り、本来スズキの主力である「ワゴンR」や「スペーシア」をも上回る販売成績となり、一躍ディーラーの看板車種に成長した「ハスラー」。それだけに値引きはスズキのランナップの中でも一番厳しい車種となっている。それでも「S-エネチャージ」導入直前には、駆け込み需要の取り込みの為に、ある程度の値引き幅拡大が見られた。それが「S-エネチャージ」導入後には戻り、受注も「S-エネチャージ」車に集中しているとみられ、かなり厳しいのが現状。
作戦その1 燃費よりも値引き
かわりに注目したいのが、「S-エネチャージ」未装着車のターボと4WD、そして「A」だ。「S-エネチャージ」車への受注が集中するのを防ぐため、当然販売現場では強力にプッシュしてくるので、その流れにあえて乗ってみたい。燃費の差がある分、値引きを上乗せする話が向うからやってくる。
作戦その2 最後はマツダ頼り
もちろんOEM車を扱うマツダにも話を聞くのは必須です。これほどの人気車種と同型なのにもかかわらず、月販500台の販売目標もクリア出来ていないだけに、思い切った値引き条件が期待できるので、ユーザーにとっては心強い見方だ。
ダイハツ ウェイク
話題性のわりには販売台数は伸び悩み
ダイハツが提案する軽の新ジャンルは2014年11月に発売された「ウェイク」。「ドデカクつかおう。WAKE」のキャッチフレーズの通り 、どこでも車中泊できるというイメージを持たせているのが大きな違いだ。
本格的が裏目
CMも良く見受けられて、一般のニュースで取り上げられるほどの話題性を持った車だけに、当初から販売は好調だったが、このところ伸び悩んでいる。軽自動車税の増税前の駆け込み需要でも他車種ほど台数が延びず、増税後は激減してしまった。新ジャンルとはいえ「ハスラー」よりも割高なことが増税後の販売に影響しているのか、「ハスラー」のようにイメージだけでなく、しっかり積み込んで車中泊も可能な実用性までを求めるユーザーはそれほど多くないということか。
購入する側にはチャンス
販売計画台数を切っている今こそが買い時かもしれない。発売から半年程度で落ち込んでは面目がたたないのである。それでも軽自動車の場合は大幅値引きというわけにはいかない。数万円程度の話である。しかし、ディーラーにとってはその数万円が飯の種になるため、おいそれとは引けない。しかし、メーカーが販売対策として何らかの補助をしていればそれが可能になる。値引きであったり、オプション類の割引であったりとさまざまだが、ユーザーにとってはうれしい。
N-BOXスラッシュ
割り高ではあるがシリーズをささえる存在
2014年12月に登場したホンダの「N-BOXスラッシュ」も、「N-BOX」の派生車種という位置づけながらも新ジャンルと言えるユニークなデザインの車。トールワゴンの「N-BOX」最大の特徴である車高をあえて低くして、適度な圧迫感をもたらし、豪華なリビングを思わせるシートとオーディオで楽しもうという提案だ。
期待以上の人気車種
「ウェイク」とは逆に、それほど期待されない車種であったが、かなりの台数が出ており、シリーズに含まれて単独の販売台数が見えてこないのだが、12月の発売時期前後の「N-BOX」自体の販売台数が劇的に増えており、「N-BOXスラッシュ」人気がかなり影響しているのではないだろうか。
比較車種中もっとも低い値引き オプション品に活路
割高設定のため他の「N」シリーズより台当たりの利益は見込めるため、ディーラーにとっては美味しい車種。しかも人気は上々、計画販売台数も「ウェイク」の半分程度となれば値引きは抑え目になる。しかも競合するライバルがいないとなると、これは買う側には痛い。ついついオプションを付けたくなる車種だけに、それらの値引きを狙うという作戦になるか。
面白くなってきた軽自動車
2014年において、軽に今までと異なるジャンルが登場し、新たな主役にもなりそうな勢いで、販売においても激戦の場となりそうだ。2015年にはスズキから「アルトRS」やホンダ「S660」も登場。カスタマーにとっては選ぶ楽しみが増えることを意味し、今後の展開は要注目である。