2009年5月販売開始された3代目モデルの現行「プリウス」。 発売直後の6月から19か月連続で販売台数の首位を維持。その後ホンダ「フィット」や軽自動車のダイハツ「ムーヴ」に抜かれ後退した時期もあったが、2011年6月より。首位に返り咲くと2012年9月までの15か月連続で首位を獲得していたが、同年10月度は同社が生産・販売する「アクア」や軽自動車のホンダ「N-BOX」に抜かれ3位に後退した。それでも直近では「アクア」にこそ届かないものの、高い販売実績を続けていよいよフルモデルチェンジされる時期になってきました。
モデル末期になっても低燃費を武器に売れ続ける「プリウス」ですが、その値引きはどうなっているのでしょうか。発売直後はほとんど値引かなくても飛ぶように売れていた同車ですが、現在では値引きが可能なのでしょうか。購入にあたっては競合車種と言えるような同タイプのない「プリウス」ですが、値引きの比較ということで、同社の「カローラアクシオハイブリッド」とともに検証してみました。
値引き比較表
プリウス | カローラアクシオハイブリッド | アクセラセダン ハイブリッド | グレイスハイブリッド | |
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トヨタ取扱い チャネル | 全店 | カローラ店 | ||
車両価格(円) | 2,232,000~ | 203,400~ | 2,473,200~ | 1,950,000~ |
JC08モード 燃費率 (㎞/L) | 30.4~32.6 | 33.8 | 30.8 | 29.4~34.4 |
値引き予想額(万円) | 18~23 | 18~20 | 25~28 | 20~23 |
リセールバリュー (A・B・C) | A | B | B | B |
発売年月日 | 2009年5月 FMC | 2013年8月 FMC | 2013年11月 FMC | 2014年12月 NEW |
最新MC時期 | 2011年12月 | 2015年3月 | ||
最終変更時期 | 2012年12月 | 2014年10月 | ||
同クラス人気度 (A・B・C・D・E) | B | C | E | B |
トヨタ プリウス
モデル末期でいよいよ値引き拡大のチャンス到来
消費性の増税以降落ち込んだ新車販売の中でも、最も落ち込んでいる車種のひとつ。それまでが頭一つぬきんでていたために、それ以降も他車に比べれば大ヒット中ではある。そして、リコール問題でのホンダ勢の自滅傾向や、2015年に入ってからの軽自動車税増税で再び販売ランキングの上位に顔を出してきている。
急に売れ始めたわけではなく、他車の下落が止まらないだけであるが、同車の信頼感と知名度がモデル末期になっても変わらない強さを示した結果といえるでしょう。
それでも値引きはさすがに拡大傾向で、トヨタ全店舗扱いという特徴を活かしてのチャネル間での競合も利用したい。
表向きには無益な競合はしないという大人の対応ではあるが、現場のディーラー営業マンにとっては、同じ車種を他店に取られるのは、ライバル他社に持って行かれる以上の屈辱でしかありません。「ここだけの話」的な条件も期待出来るでしょう。
低水準な条件で話が進まない場合は、マツダの「アクセラセダンHV」を絡めて突破口を見出すのも手。ディーゼル車が好調なマツダですが、ハイブリッド車があるのもあまり知られていないほどの販売不調。トヨタからの技術供与ということもあり、大々的な拡販政策が取れないということもありますが、2.0Lエンジンという余裕はユーザーにとって魅力的。
他のマツダ車のような大幅値引きが出来なくて売れていないのでがなく、元々の価格設定が高すぎるのが原因。「プリウス」よりも値引き幅が多くても、まだ割高感が残ります。しかし、値引き条件を引き出すには外せない車種になります。
それらを含めて、フルモデルチェンジイヤーに入ったこともあり20万円を超える値引きは可能。25万円を目標にして交渉を勧めたい。
トヨタ カローラアクシオハイブリッド
グレイスの出現で存在意義が問われるハイブリッド車
長年に渡り国産コンパクトセダンの代表格を務め、セダン不況と言われている間もその伝統を守り続けてきた同車。そして新たに「アクア」と同じ1.5Lのハイブリッドシステムを搭載した現行モデルは、低燃費という武器を手に入れた。「プリウス」に匹敵する車種にもなるかと思われたが、「アクシオ」の上級車種という位置づけに落ち着いたようで、詳細はわからないもののシリーズ全体での販売台数から見て、低価格中心の「アクシオ」において、比率も高くないと思われます。
それでは値引きはどうなっているのでしょうか。販売台数が低迷していれば値引きが拡大していると思われがちですが、当初の予定通りということで、カローラ店の利益車種というポジションのため「プリウス」よりも低めという結果のよるです。では競合させる作戦はどうかというと、「プリウス」と異なり複数の車種が浮上します。「アクア」と「プリウス」は「アクシオ」の取り扱い店舗であるカローラ店でも販売しているために除外しても、他にホンダの「グレイス」、マツダの「アクセラセダンハイブリッド」がそうです。「アクセラ」は価格に違いがあり、ネックとなる価格差を縮めるために、交渉直後から思い切った値引きをするので、「アクシオ」の値引きを引き出すのに効果があります。しかし、本命は「グレイス」。価格とスペックが接近しているために、まともに値引き比較が可能な競合車です。
「グレイス」は新たに安価な1.5Lガソリンターボ車を導入したために、従来からのハイブリッド車の販売に影響が出始めています。値引き次第で「アクイオ」に勝てるならば必ず上乗せ条件を提示してくるでしょう。目標はまず、20万円ですが、「プリウス」を上回る条件が出るかどうか難しいところでしょう。
ライバルは次期「プリウス」という皮肉
「プリウス」と言えば、これまで値引きしてくれない車種の代表格でした。それでも売れ続けているのですから値引きの必要はないということです。ところが近年は低燃費で「プリウス」を上回る新規機種が次々に登場。燃費では同社の「アクア」やホンダの「フィットハイブリッド」に大きな差を付けられ、販売台数でもトップを維持できなくなりました。
そしていよいよモデルチェンジが近づいた2015年になると、評価はけっして下がらないものの、次期型への期待が大きいのでどうしても今「プリウス」を売るためには、値引きもやむおえないということが最大の原因、そしてユーザーにとって最大のチャンスが来たということになります。