2005年に発売された「アトレー」は商用バンの「ハイゼットカーゴ」の乗用車バージョン。
今ではFFレイアウトの軽トールワゴンが主流ですが、一時期までは、このキャブオーバーレイアウトのワンボックススタイルが乗用ワゴンの定番でした。
商用バンベースの広い空間を活かした広々とした室内は、特に後席においてはトールワゴンを凌ぎ、ラゲッジスペースはミニバンにも迫ります。
しかし、ウォークスルーが不可能であったり、運転席の高さや床面の高さ、何よりも商用バンベースならではの、旧型パワーユニットと後輪駆動による燃費の悪さが敬遠されています。
そのため今では販売台数が月販数百台程度まで落ち込んでいます。
軽自動車としてはかなり割高な車種ですが、値引きはどうなのでしょうか。
そこで「アトレー」とライバルの値引きの実態を見てみることにしました。
値引き比較表
アトレー | エブリィワゴン | バモス/バモスホビオ | |
---|---|---|---|
車両価格(円) | 1,404,000~1,738,286 | 1,425,600~1,814,400 | 1,280,000~1,514,400 |
JC08モード燃費率 (㎞/L) | 13.8~14.8 | 14.6~16.2 | 14.6~17.6 |
値引き予想額(万円) | 15~17 | 14~16 | 13~15 |
リセールバリュー(A~C) | B | B | C |
発売年月日 | 2005年5月FMC | 2015年2月FMC |
1999年6月 2003年4月ホビオ |
最新MC時期 | 2007年9月 | 2010年8月 | |
最終変更時期 | 2015年4月 一部改良 | 2015年3月 一部改良 | |
同クラス人気度(A~E) | B | A | D |
アトレー VS スズキエブリイ
先にモデルチェンジされたライバルに対抗するにはプラスαが必要
画像引用元:favcars.com
アトレーワゴン保険料と新車値引き
先代モデルの発売時期が1年早い「エブリイ」は2015年2月に「アトレー」に先駆けてバンとともにフルモデルチェンジ。
順調な販売で「アトレー」に差を付けています。
対する「アトレー」も同年4月に燃費等を向上させています。
しかし、モデルの新鮮なライバルに対して販売現場では値引き幅を拡大せざるを得ないのが実情で、「エブリイ」プラスαはほぼ確実。
そうでないと代替などの顧客販売が中心とはいえ、購入者は納得しないでしょう。
つまり、交渉には「エブリイ」の見積りが必須といえます。
「エブリイ」のOEM車であるマツダの「スクラムワゴン」、日産の「NV100クリッパーリオ」、三菱の「タウンボックス」を競合車種にするのも有りです。
自社生産モデルでないだけに、スズキよりも値引き上限の提示は早く行われる傾向があります。
アトレー VS スバルディアス
OEM車でもディーラーにとってはライバルでしかない
ダイハツからOEM供給を受けるスバルでは「ディアスワゴン」として販売。
軽自動車の自社生産をやめたスバルディーラーとしては利益の少ない軽自動車の販売は消極的。
しかい、他の軽よりは利益の見込める「ディアス」なら早期決着で取れるものなら取る体制。
「アトレー」の交渉の後に、スバル系サブディーラーなどに訪れると面白いかも知れません。
もちろんダイハツとスバルの間では値引き合戦を行わないような取り決めがあるのですが、売ったもん勝ちの世界ですから合ってないような取り決めです。
特にサブディーラーにそういった考えの経営者が多いのです。
アトレー VS ホンダ バモス/バモスホビオ
低価格を武器に生き残るライバル
画像引用元:favcars.com
バモス/ホビオ保険料と新車値引き
ターボ装着車をラインナップせず、低価格路線のバモスシリーズ。
そのかわり、標準ルーフの「バモス」とハイルーフ仕様の「バモスホビオ」というフロントトリアのデザインの異なる2種のボディを用意しているのが特徴となっています。
「アトレー」「エブリイワゴン」と比べるとビジネス仕様のイメージが強く、乗用車としては物足りない。
しかし、低燃費性能は3ATながらも引けを取っておらず、経済性重視のビジネス兼用ユーザーには魅了です。
発売は「アトレー」よりも古く、何と1999年。
15年を超えるモデルとなっいぇいます。
ならば値引きは多いと言いたいところですが、バンとさほど変わらぬ価格設定のためにそれほど大きな値引きは期待出来そうにありません。
アトレー:313台 エブリイ829台 バモス:241台 OEM車計:451台
上記が2015年8月の販売台数です。
ちなみに2007年8月には「エブリイ」は2338台売り上げていました。
当時の状況は今よりも乗用車全体が多く販売されていたので一概には比較できませんが、現在の販売台数がかなり少なくなっているのが解ります。
それでも それでもOEM供給車を含めると、トヨタを除くすべてのディーラーで販売されているのは、少なからず需要があるのと、バンの好調な販売にささえられ、低コストで比較的安易に乗用車バージョンの生産が可能という事があげられます。
またその影響で、低燃費型エンジンやアイドリングストップなどに代表される乗用車として必要な改良や必要な装備アップが単独で行われないというデメリットがあります。
少ない販売台数であっても、軽トールワゴンより高い設定にして利幅を増やす方策では「アトレー」「エブリイワゴン」ともに共通。
仕様も価格も申し合わせたかのようにほぼ同一なのが不思議でもある。
140万円以上、最上級グレードでは170万円を超えるなど、コンパクトカーどころかハイブリッド車をも凌ぐ価格設定のため、購入する側としても、もはや軽自動車だからと少ない値引きに納得せず、車両価格の10%は値引きで引き出すことが目標になるでしょう。