日産の「NV350キャラバン」のような商用車にとって重要なのは、荷室のサイズや容量は当然のことながら、燃費を含めたエンジン性能。
そしてもう一つ重要なのが「値引き」です。
車両価格が同程度のクラスに2つの車種があれば、性能や装備より「値引き」の多い方を選びたいのは乗用車も同じ。
しかし、仕事の道具であるビジネスカーであれば利益に直結するだけに、絶対に妥協できない部分です。
そこで、日本を代表するキャブオーバーバンである日産「NV350キャラバン」と、唯一無二のライバルであるトヨタの「ハイエース」を、値引きという面から比較してみました。
値引き比較表
NV350キャラバン |
ハイエースバン スーパーGL 標準ボディ・ルーフ |
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車両価格(円) | 2,695,680~3,643,920円 | 2,856,109~3,685,371円 |
JC08モード燃費率(㎞/L) | 9.7~12.2㎞/L | 10.2~11.2㎞/L |
値引き予想額(万円) | 30~33万円 | 28~30万円 |
リセールバリュー(A~C) | A | A |
発売年月日 | 2012年6月FMC | 2004年8月FMC |
最新MC時期 | 2013年11月 | |
最終変更時期 | 2014年12月 一部改良 | 2014年12月 一部改良 |
同クラス人気度(A~E) | B | A |
日産 NV350キャラバン
ハイエースとのマッチレースはもはや伝統
2012年のフルモデルチェンジで名称も「NV350キャラバン」となり、エクステリアとパワーユニット一新され、それまでライブルの「ハイエース」に差を付けられていたスペックと商品力を向上。
「ハイエース」を全ての面で圧倒するとしている。
が、販売面では「ハイエース」の背中に手が届かないでいる。
「ハイエース」と異なり日産全店での取扱いなので、もし近郊に資本系列の違う日産ディーラーがあれば日産同士の競合も可能です。
もちろん本命は「ハイエース」との合い見積もり。
個人オーナーが、仕事と乗用の兼用として選ぶのは「プレミアムGX」になると思うのですが、車両価格は同じ日産車で言えば「セレナ」や「エクストレイル」以上になります。
もちろん200万円を切るDXもあるのですが、法人ユーザーならともかく、個人事業者なら「プレミアムGX」を狙うでしょう。
仕事道具でもあり、一日の大半を過ごすオフィスでもあるので、一般の方が考える以上に装備が充実していることが購入の決め手になります。
具体的な値引き額は30万円以上。
「ハイエース」プラスαは確実に狙えるという前提で交渉したい。
商用車の商談においての注意点は、相手の条件待ちではなく、こちらの条件を相手が受け入れるかどうかの検討待ちにすること。
「ハイエースの条件は〇〇、他店の条件は〇〇なのだけど、それ以上出せるのか?」これでいいでしょう。
ディーラー側から小出しに条件を提示されるのを待つ必要はありません。
また、乗用車の場合と異なり、オプションも大型(ルーフキャリア等)で高額になりやすいので、最後のダメ押しに使ったり、所領とは別に部品として価格交渉することも検討しておきましょう。
トヨタ ハイエース
信頼と実績ならナンバーワン
このクラスで絶大な人気を誇る「ハイエース」は2004年のデビューですが、10年目の2014年12月に改良を実施、まだまだ延命するようだ。
それだけ比較的新しいモデルであるはずの「NV350キャラバン」に対しても、競争力のある車種ということになります。
同クラスのライバルはその日産の「NV350キャラバン」だけ。
しかも取り扱いチャネルはトヨペット店のみなので、トヨタ店間の競合も不可能。
こうなると「NV350キャラバン」との合い見積もりが必須になってきます。
全てにおいて「ハイエース」を上回ったはずの現行「 NV350キャラバン」ですが、販売成績では大きな差を付けられているだけに「ハイエース」との合い見積もりになると「値引き」は出やすいでしょう。
商用バンとは言え、ミドルサイズの乗用車ほどの車両価格なので値引きは期待したい。
しかも「NV350キャラバン」よりも装備内容に差があるとはいえ、高めの設定になっています。
クラス独占状態の機種ですが、値引きが少ないかと言えばそうでもないようです。
発売から10年を過ぎたモデルであるのは事実であるし、日頃からコスト意識の塊のような法人、個人の事業者相手に商売しており、日頃から到底受け入れられないような条件でも検討せざるを得ない商談には慣れています。
なので、50万円ぐらいの値引き要求は申し出ても問題ありません。
その代り、確実に購入することを確約してのことです。
検討するのは購入する側ではなくて、売る側なのが、商用車の交渉の基本です。
景気の回復が鈍く、値引きも押さえられず
景気に左右されるのが商用車。
アベノミクス効果で上向きとは言え、個人事業主が実感するまでには至っていないようです。
ビジネスで利用する車は大事な商売道具ですが、代替次期をこれまでより伸ばすことを 考えるのは当然でしょう。
それを覆すには多少の燃費の差よりも、率直に「安い」と思ってもらえるような、相当なお買い得感が必要です。
そのため、値引きが拡大するのは必然と言えます。
乗用ワゴンの設定もあるのですが、ライバルの「ハイエース」に設定が無いので今回の比較対象からは除外します。
ちなみに値引きですが、今回比較するバンタイプより多めの値引きが予想されます。
ライバルもいないのにどうしてかというと、購入者は法人ユーザーのみと言って良いために限界を超えた条件提示が飛び交っているのが予想されます。
だからと言って乗用車として所有しようとする方は皆無でしょうが、もし購入するなら常識外れと思われる条件を要求することから始めましょう。