「ハリアー」と同時期にフルモデルチェンジしたクラスオーバーSUVの「エクストレイル」は、当初ハイブリッドの設定がないことがネックであったが、「ハリアー」にはない3列シートを装備していることで差別化を図り、価格も安い設定であることから販売台数では「ハリアー」に拮抗。
そして2015年4月に待望のハイブリッド車が追加され、直後の5月に販売台数が急上昇した。
競合車種も強力だ。相手は「ハリアー」だけではない。
高トルクリーンディーゼルのマツダ「CX-5」、ただのハイブリッドではないPHEVをラインナップさせた三菱「アウトランダー」などパワーユニットだけでも盛りだくさんだ。
では値引きの方はどうでしょう。
それぞれ特徴のある車種ですから大幅値引きなどもってのほかなのでしょうか。
それとも競合他車に勝つためにはなりふり構わないのでしょうか。
検証してみましょう。
値引き比較表
エクストレイル | ハリアー | CX-5 |
アウトランダー (PHEV含) |
|
---|---|---|---|---|
車両価格(円) |
3459240~ 2,313,360 |
2,797,714~ 4,591,963 |
2,446,200~ 3,261,600 |
2,519,640~ 4,590,000 |
JC08モード燃費(㎞/L) | 16.0~20.6 | 14.8~21.8 | 16.4~18.4 | 14.6~20.0 |
値引き予想額(万円) | 22~25 | 20~23 | 25~30 | 25~30 |
リセールバリュー (A~C) |
B | A | B | B |
発売年月日 |
2013年12月 FMC |
2013年12月 FMC |
2012年2月 新規車種 |
2012年10月 FMC |
最新MC時期 | 2014年11月 | 2015年6月 | ||
最終変更時期 |
2015年5月 ハイブリッド 追加設定 |
2015年6月 一部改良 |
||
同クラス人気度 (A~E) |
A | B | A | B |
日産 エクストレイル
現代流クロスオーバーSUVは意外とお買い得
発売間もないハイブリッド車の値引きはまだ厳しいものがありますが、「ハリアーハイブリッド」との相見積もりで勝機を見いだせる。
また、価格も近い「CX-5」のクリーンディーゼルも競合には適している。
発売時には話題のあった同車ですが、最近は弟分の「CX-3」に注目が集まり販売も低迷中。
値引きで「エクストレイル」や「ハリアー」に負けることは許されない状況です。
値引き額ということでは価格は安いがガソリン車が上。
最近のクロスオーバーSUVの傾向として2WDの売れ行きがいいので、逆に4WDの値引きが多いはず。
約20万円ほど高い価格なので、2WDと同時に見積もりし、この差額を詰める交渉をしたい。
競合車との比較も含めて目指すのは30万円。
先にこの値引き額に到達するのは「CX-5」なので、最後の交渉は「CX-5」と行うことになります。
最新のクロスオーバーSUVも意外とお買い得になつかもしれません。
トヨタ ハリアー
ハイブリッド頼りも古臭い高級路線がネックに
2014年度の販売は、今回の比較車中トップ。
しかし、「エクストレイル」にハイブリッドが投入されると、販売台数で逆転され」ているため、値引きと言う意味では狙い目かもしれない。
高級路線ということで最低価格帯の比較では「エクストレイル」より約40万円高い。
それがハイブリッドともなると90万円にもなる。
もちろんそれに見合った内容ではあるのですが、それを確かめて納得する前に、候補から外れるケースも多いでしょう。
もし、交渉のテーブルについたなら、そして競合他車がいるのなら、それなりの条件を提示しなければみすみす勝機を逃すことになります。
標準装備も十分な車種であるので「GRAND」か「ELEGANCE」でも納得のいく内容ですが、「PREMIUM」となると「ELEGANCE」に約100万円のプラスになってしまうので、このクラスのクロスオーバーSUVに何を求めるのか慎重に検討したい。
三菱 アウトランダー
PHEVでもハイブリッド並みの価格設定が武器
2014年1月にガソリン車、4月にPHEVを一部改良。
ワイドで安定感のあるエクステリアと、キャラクターラインで存在感を演出している。
三菱はPHEVを前面に押し出しており、価格設定もリーズナブルなために「エクストレイル」や「ハリアー」に十分対抗できる魅力を備えている。
ガソリン車で251万円というのはそれなりだが、PHEVでも359万円からとなっており、グレードによっては他車のハイブリッド車と同等の価格でプラグインハイブリッドが手に入るのだ。
したがって「アウトランダー」を検討するならPHEVを選ぶのが一番だ。
値引き目標も競合する他車ハイブリッドと同程度まで考えてもいいでしょう。
マツダ CX-5
ディーゼルは魅力だが買い得感はガソリン車に
比較車種の中で唯一の新規機種が「CX-5」だ。
人気の中心はクリーンディーゼル。
燃費ではハイブリッド車に及ばないものの、高トルクと軽油による燃料費の安さ。
そして、クリーンディーゼル補助金も大きなメリットとなり経済性ではハイブリッドをも凌駕する。
その結果ディーゼル車に受注が集中したため、ガソリン2.0L車が売れないという結果になり、追加設定された2.5L車も今一つ売れ行きは芳しくないが、同車の値引きを狙うならこの2.5Lガソリン車だ。
2.0L車よりも利益率が高く30万円オーバーも狙えるでしょう。
飛び抜けた人気車種がないだけに混戦模様のクラス
購入者にはチャンス拡大
一頃のクラスを問わず燃費一辺倒の傾向がやや下火になり、それぞれの特徴が鮮明になってきたこのクロスオーバーSUV。
今回取り上げた車種もディーゼル車ありハイブリッドあり、ハイブリッドも多種多様でプラグインハイブリッド車も揃っている。
どれも評価は高く販売は好調だが、それだけに販売合戦は激化している。
また、ひとクラス下の「ヴェゼル」「CX-3」、さらには軽自動車の「ハスラー」や「キャストアクティバ」にもクロスオーバーSUVブームが広がっており、割高感のある「エクストレイル」クラスに陰りが見えてきています。
購入を予定している人にとっては選択肢が増え、さらに値引きも期待出来る好循環になっています。
また、「エクストレイル」も含めてすべての車種に言えるのが、ガソリン車の方が値引きが良い。
販売比率も新車効果が薄れるころには、価格の安い2.0Lのガソリン車が中心になるはず。
そうなると各車の条件が揃い、値引き比較もしやすくなるでしょう。