2015年12月のマイナーチェンジでは、標準車の「タント」において、シートやセンタークラスターの意匠変更を行った程度で、燃費性能もそのままでマイナーチェンジとしては変更点は少ないものでした。
マイナーチェンジで商品力を強化し、「N-BOX」を追撃したい「タント」ですが、軽ハイトールワゴンには他にも強力なライバルが目白押しです。
となると、各種スペックがほぼ横並びの軽ハイトールワゴンを購入予定のユーザーにとって気になるのは各車の値引き。
そこで、マイナーチェンジした「タント」と、他のライバルの値引きを比較してみたいと思います。
また、「タント」に新設定された「X”ホワイトアクセントSA II”」のようなお買い得モデルも紹介します。
値引き比較表
タント | スペーシア | N-BOX | デイズルークス | |
---|---|---|---|---|
車両価格(円) |
1,220,400 ~1,657,800 |
1,274,400 ~1,936,440 |
1,198,000 ~1,659,400 |
1,337,040 ~1,620,000 |
JC08モード燃費 (㎞/L) |
26.0~28.0 | 25.6~32.0 | 20.8~25.6 | 24.6~26.2 |
値引き予想額 (万円) |
10~12 | 12~14 | 10~12 | 13~15 |
リセールバリュー (A~C) |
A | B | A | B |
発売年月日 | 2013年10月 | 2013年3月 | 2011年12月 | 2014年2月 |
最新改良年月日 | 2015年12月MC | 2015年8月MC | 2015年11月一部改良 | 2015年4月一部改良 |
同クラス人気度 (A~E) |
B | C | A | B |
ダイハツ タント
マイナーチェンジして「N-BOX」を追撃したいなら値引きを
「タント」は最上級車種で約180万円以上にもなり、ハイブリッド車を含むコンパクトカー全てが購入可能な金額です。
したがって、軽自動車でも最高水準の値引きを期待するのは当然ですが、値引きの上限が低いために、いくつもの車種を相見積もりしても、その労力に見合った値引きの獲得は困難です。
そこで、「タント」の値引きを引き出すには、販売が低迷しているスズキの「スペーシア」、もしくは軽自動車販売にも力を入れる、日産の「デイズルークス」の内どれか一車種の相見積もりだけに絞ってみましょう。
Sエネチャージ搭載の「スペーシア」には燃費で最大4.0㎞/Lもの差を付けられており、横並びのはずの軽ハイトールワゴンのパフォーマンスとしては大きなハンデになります。
その差を値引きで埋め合わせさせるのが交渉のポイントとなるでしょう。
「X”ホワイトアクセントSA II”」欲しいものが全て入ったまさに福袋
新設定の「X”ホワイトアクセントSA II”」の148.5万円という価格は、流行りのツートンカラーと、装備比率が上がっている自動ブレーキ等の運転支援システム「スマアシ(SA II)」をセットにした内容となっています。
「タント」を検討するユーザーにはこれ以上ない選択になり、もちろん営業サイドも一押しの福袋的(時節柄に)グレードになります。
スズキ スペーシア
クラス最高の低燃費 値引きも最高に
Sエネチャージの採用でクラストップの低燃費を誇る「スペーシア」。
しかし販売成績はクラストップとはほど遠く、軽ハイトールワゴンは燃費が全てではないことを物語る結果となっています。
なにしろクラストップの販売を続ける「N-BOX」に対して最大で7㎞/L以上もの差を付けていながら、販売台数では半数程度なのですから深刻な状況です。
そうなると、販売戦略としては、お買い得な価格を提示するしかありません。
もともと他車より割高な価格設定のSエネチャージ車ですから、ライバルより大きい値引き額でやっと同額になり、さらに上乗せできないと納得できないでしょう。
結果的にクラス最高水準の値引き額となるはずですので、先にスズキで見積もりと値引き交渉を済ませておくのが鉄則です。
デュアルブレーキサポート付で格安な「Gリミテッド」
特別仕様車の「Gリミテッド」がデュアルブレーキサポート付きで139万円となっており、コストパフォーマンス的に優れています。
ホンダ N-BOX
トップセールスの車種でもウィークポイントはある
2011年に発売され、軽ハイトールワゴンの中では最も古い車種である「N-BOX」。
しかし、現在(2015年/11月現在)でも軽自動車全体トップ販売の台数を達成している大ヒットモデルです。
使い勝手や独自のシートアレンジで魅力ある車種ですが、燃費においては、多少改善されたものの、クラストップの「スペーシア」には約7㎞/L、「タント」にも3㎞/L以上の差を付けられており、唯一そして最大のウィークポイントになっています。
値引き交渉においてはこのあたりをつつき、燃費の差を値引きでカバーしてもらうのが得策です。
具体的にこれ以上という目標を掲げて交渉に挑む方が、むやみに「安く!」と迫るよりも説得力があり効果的です。
四角い「N-BOX」を優しく見せる「ツートンカラースタイルG・Lパッケージ」
142万円の「ツートンカラースタイルG・Lパッケージ」が華やかな色合いで、無骨なイメージの同車の雰囲気を一変させます。
先進運転者支援システムはありませんが、[ 運転席用i-SRSエアバッグシステム&助手席用SRSエアバッグシステム ]が装備されています。
日産 デイズルークス
姉妹車も成績のためならなりふり構わず頑張る
シリーズ販売台数は「N-BOX」に迫りますが、「デイズルークス」単体では恐らく「スペーシア」と同程度と推測されます。
つまり、日産の販売力にしてはそれほどヒットしていないということです。
クルマ自体に特徴がなく、自慢の高級感も次々と登場するライバルの最新機種に対してアドバンテージがあるとは言えなくなっています。
さらに発売当初からパワー不足との指摘があり、改善されてきた現在もそのイメージは払拭されず、ライバルの営業マンの攻撃材料になっています。
値引き交渉においては当然、他社ライバルも含めますが、姉妹車である三菱「ekスペース」との相見積もりは外せません。
日産より圧倒的に販売力の劣る三菱では「ekワゴン/スポーツ」を含めてもクラス最下位の販売台数。
売るためなら日産相手でも好条件を繰り出してきます。
もちろん日産側も黙ってさらわれる訳にはいきません。
裏で相当揉めるのは承知で、こちらは安い方から購入するという基本姿勢で傍観しましょう。
ツートンカラーと装備アップでさらにオシャレな「Vセレクション」
新しく加わった「Vセレクション」は149.9万円と高めですが、 ツートンカラーと快適装備が充実されています。
「ハイウェイスター」に重きを置く同車ですが、標準車にも力を入れ始めたようです。
OEM車とサブディーラーも利用して検討しよう
軽トールワゴンの値引き目標としては、車両価格の10%というところが目標になりますが、15万円を超える現金値引きは厳しいと思われますので、オプションなどの値引きも含めた総支払額での交渉になるでしょう。
また、「スペーシア」ならマツダの「フレアワゴン」といったOEM車を候補に入れてみるのも面白いでしょう。
値引きを引き出すためと言うよりも、安く購入出来るなら真剣に購入することも含めて検討してみてはいかがでしょうか。
軽自動車の販売で特徴的なのが、サブディーラーや販売協力店と呼ばれる大手販社以外での購入方法です。
地方部など販社の店舗網が手薄な地域では重要な存在になっており、近くにあれば利用してみるのも手です。
新規で来店しづらい面もありますが、販社に強い発言力もあるために、お客さんに変わって販社と交渉してくれる強い味方になってくれるでしょう。