2016年6月にマイナーチェンジを行い、2006年から続くロングライフモデルのさらなる延命が図られたLLサイズのミニバン「エスティマ」。
現在のミニバンの主流である「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」と、上級車種の「アルファード/ヴェルファイア」の中間に位置し、10年もの間モデルチェンジされることなく、ラインナップし続けるかつての人気モデルも、
さすがに色あせて見えていましたが、マイナーチェンジで化粧直しすることで、見事に生き返り、評判も上々。
そんな「エスティマ」と、ライバルのミニバンを値引きという面から比較してみましょう。
値引き比較表
エスティマ | オデッセイ | デリカD:5 | |
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トヨタ車 扱いチャネル |
トヨタ店 カローラ店 |
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排気量 |
2.4L 2.4L+モーター |
2.4L 2.0L+モーター |
2.0L 2.4Lガソリン 2.2Lディーゼル |
車両価格(円) |
2.4L 3,271,418~ ハイブリッド 4,311,163~ |
2.4L 2,760,000~ ハイブリッド 3,560,000~ |
2.0L 2,408,400~ 2.4L 2,855,520~ 2.2Lディーゼル 3,526,200~ |
JC08モード燃費(㎞/L) |
2.4L 11.2~11.6 ハイブリッド 17.0~18.0 |
2.4L 12.8~14.0 ハイブリッド 24.4~26.0 |
2.0L 13.6 2.4L 11.2 2.2Lディーゼル 13.6 |
値引き予想額 | 23~25万円 | 18~21万円 | 35~40万円 |
リセールバリュー (A・B・C) |
A | A | B |
発売年月日 | 2006年1月FMC | 2013年11月FMC | 2007年1月NEW |
最終変更時期 | 2016年6月MC | 2016年2月ハイブリッド車追加設定 | 2015年11月一部改良 |
人気度 (A・B・C・D・E) |
B | B | D |
トヨタ エスティマ
限界値引き 23~25万円
評判は良いが値引きは抑えられない
マイナーチェンジされて”新型”になった「エスティマ」ですが、膨大な顧客が飛びつくほどの変更はなく、旧「エスティマ」からの代替は、低年式車などごく少数のはず。
むしろ、トヨタの他車種や他メーカーからの、ミニバンユーザーからの引き合いが多そうだ。
ミニバンの主流が「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」とはいえ、代わり映えしないスタイルに魅力を感じない層にとっては、「エスティマ」を再評価する気持ちがあるらしい。
販売目標も2,200台/月と強気で、その気配を敏感に感じ取って販売会社では、大々的な拡販キャンペーンを繰り広げているが、メーカーはあまり力を入れている様子はなく、TVCMも未だに見かけない。
「アエラス」に絞ったグレード展開になり、エントリー価格も急騰。
2.4L車でも320万円以上、人気のハイブリッド車にいたってはさらに100万円以上上乗せされるので、通常のミニバンねらいのユーザーには手の届かない価格。
しかし、高年式の下取り車があれば、まだ可能性があり、販社でもその辺りの取り込みを狙っている。
競合相手は、「オデッセイ」が有力だが、2.4L車で約50万円、ハイブリッド車で約80万円もの差があるので、ホンダ側では「エスティマ」と値引きで争う気はなく、あまり多くは期待出来ません。
それよりも、「エスティマ」を取り扱わないトヨペット店の「アルファード」、ネッツ店の「ヴェルファイア」との相見積もりを考えるべきでしょう。
タイプは異なりますが、価格帯が近いので、競合相手としては比較しやすいと思われます。
当然、チャネル間の値引き競争はご法度ですが、それは向うの都合であり、気にする事はありません。
あからさまに競合させると両方から手を惹かれる恐れもありますが、「話を聞いただけでよそへ行くな」などと言われる筋合いもないので、なるべく穏便に、「ここだけの話し」で通せば大丈夫。
こちらはより安く買う権利があり、向うも売ったもの勝ちですから。
ホンダ オデッセイ
限界値引き 18~21万円
好調な販売で強気の値引き
ハイブリッド車が追加設定されてからは販売も順調で、いつの間にかライバルの「エスティマ」を置き去りにする好調ぶりの「オデッセイ」。
「エスティマ」とはかなりの価格差があり、発売当初は「ステップワゴン」などと比べて、割高感が強かったものの、「エスティマ」のおかげで割安感が感じられるのは不思議。
「オデッセイハイブリッド」でも、「エスティマ2.4」と同じ位と考えれば、検討せざるをえないでしょう。
もちろん、燃費性能は大幅に「オデッセイ」の方が優れているのは、言うまでもありません。
ライバルらしい車種が同価格帯にないため、値引き交渉は難しいのですが、「ステップワゴン」以上に利益が望める車種だけに、「ステップワゴン」以上の条件が出る可能性はありますので、「ステップワゴン」も同Jに見詰まらせるという方法も試す価値がありそうです。
三菱 デリカD:5
限界値引き 35~40万円
今だからあえて三菱車を買う
「D:5」が「エスティマ」のライバルとは誰も思わないでしょうが、2.0Lの5ナンバーサイズミニバンでは物足りないと思う方がいれば、検討に値する車種です。
豪華さでは劣るかもしれませんが、3列シートのミニバンとしての居住性プラス、流行りのSUVの走行性能とエクステリアを備えた「D:5」は、今もっとも注目されてもおかしくない車種なのです。
しかも、「エスティマハイブリッド」の予算があればクリーンディーゼル車やスポーツモデルの「ローデスト」も手中に収まります。
ファミリーカーとしてのミニバンは避けたいと思う、主に丼清掃には魅力たっぷりの選択になります。
さらに、燃費偽装問題で販売が大打撃を受けた三菱のディーラーでは、以前なら考えられないほどの条件が出ています。
交渉の最初から値引き提示額は30万円を越えるケースもあり、ここは三菱を応援する意味と、足元を見透かして、大幅値引きを獲得できるチャンス到来と思って間違いないでしょう。
生き残ったオデッセイと整理されるエスティマ
トヨタのラインナップにおいて、「エスティマ」の存在は微妙になっています。
一時代を築いたスタイリッシュなデザインを持つ個性的なミニバンも、より広い室内空間が好まれるようになると、背が高く、箱型デザインの「アルファード/ヴェルファイア」にその座を奪われています。
それでもモデルチェンジもされずに10年間も放置されたのは、その優れたデザインを越える新機種の開発には、かなりの労力と資金が必要だったため。
さらに今回のマイナーチェンジは最後と見られ、最終的には「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」に吸収される運命のようです。
そのような車種ですから、購入する側にとって、大幅な値引きは絶対条件になります。
「アルファード/ヴェルファイア」と同じ条件では納得出来ないし、納得してはいけません。
中古車市場では今でも人気のある車種なので、リセールバリューは悪くないので、買って損はない車です。
ミニバンブームを共に造り挙げたライバルのホンダの「オデッセイ」は、トータルで「エスティマ」に負け続けていましたが、フルモデルチェンジされることで生き残ったということは、最後の最後にライバルを打ち負かしたことになります。
今後は新機種が登場しにくいこのクラスにおいては「アルファード」か「ノア」か、どちらが先に箱型デザインに終止符を打つかで、スタイリシュなミニバンの未来が決まりそうです。