プチバンのブームがほんとに来たのでしょうか?事実上これまでスズキの「ソリオ」しかなったプチバンクラスに新しい車種がダイハツから発売され、同時にトヨタ、スバルからもOEM車が発売されました。
11月9日に発売されたプチバンのダイハツ「トール」はトヨタとスバルに向けてOEM供給されています。
トヨタはチャネル別に「ルーミー」と「タンク」、そしてスバルは「ジャスティ」としてグループ全店で販売するという力の入れようです。
その中でもトヨタはトヨタ店とカローラ店に「ルーミー」、トヨペット店トネッツ店には「タンク」として発売し、「アクア」などのハイブリッド車以外では異例の全チャネル扱いとなりグループで最も多い2車合わせて月販7500台を販売目標としています。
そこで、トヨタがこれだけ本腰を入れるプチバン「ルーミー/タンク」を、値引きを中心にライバルの「ソリオ」や「ポルテ」そして軽トールワゴンとの比較をしてみましょう。
目次
プチバンの値引き比較表
ルーミー/タンク | ソリオ/デリカD:2 | ポルテ/スペイド | |
---|---|---|---|
車両価格(円) | 1,463,400~ | 1,454,760~ | 1,777,680~ |
JC08モード燃費 | 22.0~24.6 | 22.0~27.8 | 16.0~22.2 |
値引き予想額 | 0~3 | 10~13 | 13~15 |
リセールバリュー (A~C) |
A | A | B |
発売年月日 | 2016年11月2日 | 2015年8月FMC | 2011年7月FMC |
最終改良時期 |
2016年10月 一部仕様向上 |
2016年6月 一部改良 |
|
人気度(A~E) | B | B | D |
トヨタ ルーミー/タンク
ルーミー/タンクの特徴
「ルーミー/タンク」のベース車両であるダイハツの「トール」は、ダイハツが長年培ってきた軽自動車のパッケージング技術が応用され、コンパクトな外形寸法とすることで軽自動車と同等の取り回し性と広い室内空間を実現しており、エンジンは1.0Lで、NA仕様とターボ仕様の2種類が用意される。
新開発の1.0Lターボエンジンは、1.5Lエンジンに相当するトルクを幅広い回転域で発揮するほか、優れたレスポンスをもたらすスポーツモードを装備しています。
「ルーミー」はトヨタ店とカローラ店、「タンク」はトヨペット店とネッツ店の取り扱いになっており、「ルーミー/タンク」と「トール」の外観上の比較は、標準車は「タンク」の、カスタムは「ルーミー」のデザインとそれぞれ共通しています。
ルーミー/タンクの値引き
トールとジャスティの利用がポイントに
発売されたばかりですからしばらく値引きは無理というのが正しいでしょう。
しかしあきらめずにライバル車種との相見積もりはしておいた方が賢明です。
相手としては当然「ソリオ」しかないのですが、さらに「ルーミー」と「タンク」という姉妹車同士も忘れてはいけません。
「ノア」と「エスクァイア」の様にデザイン上の違いがあるので実際に迷う方もいるはずで、トヨタ同士だからといって気を遣う必要はありません。
また、ベース車のダイハツの「トール」や、忘れがちなもう一つの同型車スバルの「ジャスティ」は狙い目で、値引きの可能性がわずかながらあります。
ダイハツやスバルの場合はディーラーというより、地場の修理工場など販売協力店がお勧めで、可能な限りの条件が最初から提示される可能性があります。
値引き競争をしない取り決めのトヨタに対しても言い訳がしやすいこともあります。
「トール」や「ジャスティ」を購入したとしても何も問題はないのですが、その条件で「ルーミー」や「タンク」に条件を飲ませる交渉をするのもいいでしょう。
スズキ ソリオ
ソリオの特徴
1997年発売の「ワゴンRワイド」から続くスズキが構築した軽自動車をベースとしたプチバンの元祖が「ソリオ」です。
「ソリオ」が俄然注目を集めたのは2010年発売の先代から。
2列シートに限定したためにコンパクトサイズながら驚異的な広さの室内空間を実現し「プチバン」というジャンルに君臨することになったのです。
現行モデルは2015年にフルモデルチェンジされ、広い室内空間はそのままに、デュアルジェットエンジンを改良し た「マイルドハイブリッド」を新たに搭載したことで低燃費性能も手に入れています。
ソリオの値引き
現行モデルはデビュー以来販売も好調で、値引きの大きい車種ではなかったのですが、「ルーミー/タンク」の登場で状況は一変、「ソリオ」キラーともとれるまったく同じコンセプトの車種が、トヨタ全店で発売されるのですからその影響は計り知れません。
さらにダイハツとスバルでも同型車が発売されることで完全に包囲された形です。
1.0Lとターボという物珍しいパワーユニットも話題になっているのでマイルドハイブリッドの魅力でどこまで対抗できるか販売店も必至の営業活動をしています。
まずは競合したなら必ずあきらめずに食い下がるでしょう。
敵は新機種なので、値引きはほぼないはずなので、客を引き留めるにはお買い得感が有効です。
「ルーミー」や「タンク」も検討していることをほのめかすだけである程度の値引き条件が提示され、最後の最後まで結論を引き延ばせばかなりの値引き条件が提示される可能性があります。
今まで「ソリオ」を検討していた一にとっては大きなチャンスかも知れません。
トヨタ ポルテ/スペイド
ポルテ/スペイドの特徴
誰にでも使いやすいユニバーサルデザインとして開発され、助手席側にはワイヤレスで作動する大開口電動スライドドアを装備し、高めの室内高と低いフロア地上高と、多彩なシートアレンジと相まって室内は広く、使い勝手に優れています。
2012年にフルモデルチェンジされて2代目となり、兄弟車である「スペイド」が登場。
運転席側に普通の2枚ドアを備えた変則4ドアとなっています。
ポルテ/スペイドの値引き
2012年の発売という事と、販売成績はかなり低迷していることからも目引き交渉はしやすいはずです。
力を入れる「ルーミー/タンク」と同時に見積もりを取って、「ポルテなら・・」という条件を引き出します。
「ポルテ/スペイド」は「ルーミー/タンク」同様に全チャネルでどちらかが扱われているので、交渉はしやすいはずです。
軽トールワゴンの値引き
ダイハツでいえば「タント」、スズキなら「スペーシア」、そして大ヒット中の「N-BOX」や「デイズルークス」などの軽ハイトールワゴンは、「ルーミー/タンク」の潜在的なライバルとなります。
「ルーミー/タンク」の成功には、「ソリオ」攻略よりもこれらの軽ハイトールワゴンユーザーをいかに引き付けるかにかかっているといっても過言ではないでしょう。
これらの車種は販売も好調で、軽自動車ということからも値引き自体は大きくないのですが、売れ筋のグレードは「ルーミー/タンク」の価格帯に近く、ダイハツの「タント」に関しては「ルーミー/タンク」の製造元でもあり、「トール」があるために交渉し辛いのですが、他の車種なら競合すれば15万円近辺の値引きも可能性が出てきます。
ルーミー/タンクとプチバンの人気と今後
1.0Lのコンパトカーに関しては「パッソ/ブーン」のヒットで潜在的ユーザーを掘り越すことに成功しています。
また、コンパクトミニバンの「シエンタ」もヒットしていますが、ホンダの「フリード」がフルモデルチェンジしたことで影響を受けており、このクラスの需要が2車で頭打ちになっている兆しもあります。
これらからして、「シエンタ」よりさらに小型のプチバンの方が伸びしろがあるとするならば、国内需要を盛り上げる宝の山なのかもしれません。
値引きに関してはかなりコストをかけた割に低価格を維持しており、「ルーミー/タンク」の影響をまともに受けて値引きせざるをえない「ソリオ」であっても軽自動車並みの15万円程度が限界のようです。