マークXは、クラウン以下のクラスにおいては、現在では数少ないV型6気筒エンジンを搭載するFR駆動のミドルサイズセダンです。
FF、4気筒、ハイブリッドという流れの中で孤高の存在であるマークXは「古い」という意見もありますが、高齢化するドライバーが増えているという環境もあって、今なお根強い人気を誇っています。
また、2009年発売でありながらも、2016年11月にフェイスチェンジを含むビッグマイナーチェンジを受けたことで、さらに延命されることになりました。
そこで、このマークXと価格帯で並ぶライバルを値引きという事から比較してみましょう。
ライバルとして日産スカイラインの存在も気になりましたが、スタート価格が400万円を超える為に、今回は日産からティアナをピックアップしています。
ミドルサイズセダンの値引き比較表
マークX | ティアナ | アテンザ | |
---|---|---|---|
車両価格(円) | 2,656,800~ | 2,563,920~ | 2,764,800~ |
JC08モード燃費 | 11.8~ | 14.4 | 22.4~ |
値引き予想額 | 26~30 | 30以上 | 実質0 |
リセールバリュー(A~C) | B | C | A |
発売年月日 | 2009年10月 | 2014年2月 | 2012年11月 |
最終改良時期 | 2016年11月MC |
2016年4月 一部仕様変更 |
2016年8月 一部改良 |
人気度(A~E) | C | D | B |
トヨタ マークX
2016年11月にマイナーチェンジが行われ、フロントバンパー・ロアグリル、ヘッドランプをシャープな形状にするなどフロントフェイスのデザイン変更や、リアコンビネーションランプをブラック基調・クリアレンズとなるなど大がかりなものになりました。
「250G」と「250S」にはFAD(振動数感応)ショックアブソーバーを採用し、走行性能も向上、安全装備では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を全車に標準装備しています。
マークXの値引き
マイナーチェンジ後も値引きの期待は拡大
「マークX」の目標値引き額は、マイナーチェンジ直後は20万円ほどの値引きを引き出せれば成功と言えましたが、現状ではもう少し上を狙ってもいいでしょう。
現行モデルは発売から7年、前回のマイナーチェンジから4年もたってモデルも古くなり、セダン不況も当時よりさらに深刻になっています。
大幅なマイナーチェンジを行ったといえども、販売台数が飛躍的に伸びたわけでもなく、値引きせざるをえないのが現状です。
値引き額から見ると、3.5LのRDSが最も大きいのですが、そのために約385万円の車両価格で購入するのは考えもの。
マークXを選ぶならば250G“F package” がベスト。
Toyota Safety Sense P も標準装備だから問題なし。
このグレードをいかに安く購入するかがポイントです。
また、ひとつ上の250G狙いなら250G“F package” との価格差約26万円を埋めることが最低条件です。
日産 ティアナ
存在感薄い優良セダン
ティアナの不人気はマークX以上に深刻です。
マークXと同じく2.5Lのエンジンを搭載しながらも、4気筒のFFであることからそのロングホイールベースを室内の広さに直結出来、後席の足元空間などの余裕は驚くべきものがあり、トランクスペースもタップリと確保出来ている優秀なセダンでありながら、その価格に見合う高級感が外観から認められないのが大きなネックとなっているのです。
ティアナの値引き
ティアナの月間販売目標は520台。
輸出は好調のようなので、国内販売はあまり期待していないのが良く分かる数字です。
いくら売れないセダン不況と言われていても、日産の販売力をすればたやすく達成出来る数字に見えますが、現実には社用車や個人タクシーでの需要頼りで、個人ユーザーにはほとんど販売出来ていないのではないでしょうか。
そんな状況のティアナを買い求めに来るユーザーに対してディーラーはどう出るか。
「ノート」や「セレナ」の様に黙っていても売れる車種ではないが、価格からして利益の大きな車種であり、販売ノルマが設定されている可能性も高い。
価格次第で売れるものなら、ここは大幅値引きしてでも他社には取られたくないでしょう。
マークXとの競合を示唆することで、間違いなくマークXの値引き額以上を期待出来るので、相見積もりをしっかりと取って時間をかけた交渉を心がけるのが一番大切なポイントになります。
マツダ アテンザセダン
2.0Lと2.5Lガソリンエンジンを搭載するグレードもある「アテンザセダン」ですが、「マークX」の3.5L車を凌ぐ420k・mというトルクを誇るディーゼルエンジン搭載車には大きな魅力があります。
アテンザセダンの値引き
クリーンエネルギー補助金狙いのみ
フルスカイアクティブ車の導入から始まったマツダの値引きゼロ販売は現在も維持されています。
「本当に値引きしないのか?」と思われるかも知れませんが、評価の高い「アテンザ」「デミオ」「アクセラ」「CX-3」「CX-5」の販売が激減したことでも、その本気度がわかります。
そんな中で注目されるのが、人気を集めているディーゼルエンジンのアテンザラセダン2.2XDです。
EV、PHV,燃料電池車以外にはクリーンディーゼル車だけに適用されるクリーンエネルギー補助金が還付されるので、エコカー減税と合わせてかなりのお買い得感があります。
アテンザXDの補助金は上限が14万円となっていて、値引きするとその分少なくなります。
すたがって、わずかな値引き額を求めて粘るより、早く契約して申請する方が得ということになります。
メーカーもディーラーも損しないので、ユーザーとしては納得し辛いのですが、現状ではそのようなシステムなので、アテンザセダンならクリーンディーゼル車を選ぶのがベストなのです。
国産ミドルサイズセダンの値引き
変わる気配のないセダン事情
今後もマークXの様な2.5Lの4ドアセダンが人気を取り戻すという事は難しいでしょう。
上のクラスのクラウンならば、一定数のユーザーが根強くささえてくれますが、低燃費でも高級感でも中途半端なこのクラスは、北米や中国市場で売れている限り大きな変更もされずに国内に導入され、国内の事情からずれたままということが続くと思われます。
4ドアセダンを求めるユーザーにとっては、値引きが期待出来るだけにありがたいのですが、魅力あるモデルがなかなか登場しないというもどかしさもあります。
マークXの人気と今後
セダン人気が低迷し、けっしてリセールバリューが良いとは言えない「マークX」ですが、もともとの車両価格が高い事と、高級セダンとしての高い知名度と、今では少なくなったV6エンジンへの憧れから下取り相場は意外と高値を付けています。
中古車市場では意外な人気車種でもあるのです。
しかし、新車では、マイナーチェンジ後もエスティマの様な奇跡の復活は無く、次期モデルはSAIやカムリと両通うボディになる可能性もあり、V6のFR車としては現行モデルが最後となるかも知れませんし、ネーミングが残る保証もないのが現状です。
あとはどれだけ売れるかで、いつまで販売され続けるかというマークXの今後を決めるでしょう。