2017年7月にフルモデルチェンジされ10代目となった新型カムリは、発売以来前年の7倍以上売り上げる快進撃を続け、セダン不況といわれていた中で「いよいよ復権か」とまで言われています。
今、国内で販売されるセダンの半数は2.0L以上の排気量クラスです。
これらはすべてが300万円台から400万円前後というファミリーカーとはいえない価格帯にありますが、値引きはどうなっているのでしょうか?
価格相応の値引きが期待できるのか、あるいはプレミアム感を維持するために値引きは抑え気味なのでしょうか?
国産ミドルサイズセダンの値引き
かつては、クルマといえばセダンのことでした。
しかし、今やクルマといえば軽自動車やコンパクトカー、そしてミニバンなど背の高いクルマが中心となってしまい、さらにSUVという新興勢力も急激にシェアを伸ばしています。
セダンにとって唯一生き残る道はプレミアムクラスであるといわれています。
高級感と最新の技術を搭載したスタイリッシュなセダンだけが、これからも生き残っていくことができるでしょう。
そして、少しでもシェアを広げるつもりなら、手の届く価格帯と、割安感のある値引きということも必要になります。
値引き比較表
カムリ | アコード | SAI | |
---|---|---|---|
排気量 | 2.5Lハイブリッド | 2.0Lハイブリッド | 2.4Lハイブリッド |
車両価格(円) |
3,294,000 ~4,195,800 |
3,850,000 ~4,100,000 |
3,303,818 ~4,339,637 |
値引き予想額(万円) | 15~18 | 17~20 | 20~23 |
リセールバリュー (A~C) |
B | C | C |
発売年月日 | 2017年7月FMC | 2013年6月FMC | 2009年10月NEW |
最終改良時期 | 2016年5月MC | 2015年5月一部改良 | |
人気度(A~E) | C | C | D |
カムリの値引き
狙いはベースグレードだが厳しい値引き
ポイントは、これまでカローラ店の専売車種であったカムリが、この新型よりSAIと同じくレクサス店を除く全チャネルで取り扱うことになったことです。
つまり、事実上新型カムリがSAIの後継車となったことにより、全ての店舗で両車を取り扱うことになり、SAIを競合車種に仕立てて値引き交渉することが、事実上不可能となったことです。
もちろん、カムリ同士の競合という手はありますが、同一車種の値引き合戦に厳しいトヨタですからあまり効果は期待できないでしょう。
あとはアコード等、他銘柄ライバルとの競合という値引き交渉の常套手段ですが、販売が好調という背景により、ライバルより大きな値引きを提示することはないと思われます。
新型カムリのグレードは、装備の違いによる3種。
価格差は約90万円となり、33.4km/Lの最高燃費を誇るのはベースグレードの「X」なので、販売の中心もこの「X」に集中すると思われます。
419万円となる最上級の「G“レザーパッケージ”」となるとクラウンシリーズと同じ価格帯となり、「カムリ」を購入する意味が薄れてしまいます。
カムリのマイナーチェンジの概要
2017年7月のフルモデルチェンジにおいて、フロントデザインは「キーンルック」を進化させ、LEDクリアランスランプを備えたBi-Beam LEDヘッドランプを備えたアッパーグリルをスリム化し、サイドはフードとフェンダー、そしてベルトラインを低い位置に設定した。
パワーユニットには、TNGAを導入した完全新設計の次世代エンジン「ダイナミックフォース」の2.5L・A25A-FXSと、ハイブリッドシステム(THSⅡ)を組み合わせることで、同排気量クラストップレベルとなる33.4km/Lの低燃費と優れた動力性能を両立させている。
アコードの値引き
カムリ効果で引き合い増加中、カムリ以上が条件
カムリ同様に、国内仕様はハイブリッドのみという設定のアコード。
販売予定台数も新型カムリの約十分の一にすぎない月販250台ということから、大幅値引きして拡販するつもりは端からない車種です。
したがって、値引き交渉は手ごたえに乏しく、空振りに終わる可能性もあります。
しかし、新型カムリが話題を集めた結果、比較される車種として急に注目度が上がり、否応なく販売競争に巻き込まれつつあります。
ディーラーにとってもめったに引き合いのない利益車種ですから、多少の値引きをしてでも売りたいはず。
まずはカムリ以上を最低条件に交渉を始めてみましょう。
アコードの概要
2016年5月のマイナーチェンジでは、外内装が刷新され、外装はフロントにインラインタイプのフルLEDヘッドランプ/LEDフォグライトや導光タイプのLEDポジションランプを採用し、排熱回収システムが新たに採用されたことで、ベースグレードの「HYBRID LX」は燃費が従来モデルに比べて1.6km/L向上し、31.6km/Lとなった。
SAIの値引き
格安で手に入れるチャンスを見逃すな!
デビューから8年が経過するロングライフモデルとなったが、2度に渡るマイナーチェンジによってブラッシュアップされ、そのたびに息を吹き返してきました。
しかし、さすがに8年目となると古さが目立ち、安全装備も設定されず、さらに新型カムリが全店扱いになったことでその使命も終わろうとしています。
となれば、値引きに期待するのは当然。
新型カムリと両方の見積もりを取り「カムリは無理でもSAIなら」という言質を引き出しましょう。
目標としては、8年もたつモデルですから25万以上は狙いたいところ。
アコードやレガシィもからめて、その中で最高金額を条件に交渉しましょう。
SAIの概要
2009年10月に登場したSAIは、基本となるハイブリッドシステムがリダクション機構付THS IIであるが、エンジンはエスティマハイブリッドなどにも採用される直列4気筒2.4L・2AZ-FXE型エンジンを搭載するため、燃費性能は新型カムリを大きく下回っている。